( 1 )ホトトギスの鳴き声として、室町時代後期から江戸時代にかけてテッペンカケタカと同様に一般化した。「俚言集覧(増補)」では関東で「ホゾンカケタカ」というとするが、「古今要覧稿‐四九五」では江戸で「天辺かけたか」といい、京都で「本尊かけたか」というとしている。
( 2 )ホトトギスは平安時代すでに「死出(しで)の田長(たおさ)」といわれたように、冥土からやって来て農事を促したり、「死出の山こえて来つらん郭公」〔拾遺‐哀傷〕のように冥土の使いとしたりする俗信があり、不吉な鳥とする見方もあった。それが「本尊かけたか」という聞きなしにつながったかもしれない。