かつて中国で行われた民間信仰の女神。娘娘の語は,もともとは母,高貴な婦人,皇后などの意に用いられた。この女神は,天母娘娘(泰山娘娘),聖母娘娘(天后娘娘)を最上位に,その配下にそれぞれの職掌ごとに種々の娘娘があった。子授けや出産をつかさどる送子(生)娘娘・子孫娘娘・催生娘娘,母乳が出るようにしてくれる奶奶娘娘,眼病を治してくれる眼光娘娘,天然痘を治してくれる痘疹娘娘・天花娘娘,幼児の魂を入れ換える偸生娘娘,発財や出世・長寿をつかさどる財福娘娘など多様である。これらの娘娘をまつった娘娘廟には子宝を求める婦人が参詣し,置かれている泥人形に赤い紐を結びつけたり,ひそかに持ち帰ったり,あるいは娘娘に抱かれている泥人形の陽根を削り取って飲んだりすると子宝に恵まれるとして信仰をあつめた。旧暦3,4月に廟会(びようえ)が行われ,信仰,娯楽,商売をかねてにぎわった。山東省泰山の碧霞元君廟,北京北西の妙峰山の娘娘廟の廟会はとくに有名であった。
→媽祖(まそ)
執筆者:小川 陽一
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