アメシスト(英語表記)amethyst

翻訳|amethyst

デジタル大辞泉 「アメシスト」の意味・読み・例文・類語

アメシスト(amethyst)

《「アメジスト」とも》紫水晶のこと。
[類語]宝石たまぎょく宝玉勾玉原石金剛石ダイヤモンド玻璃石英水晶クリスタルクオーツ紫水晶瑪瑙猫目石キャッツアイエメラルド翠玉緑玉石トパーズ黄玉オパール蛋白石トルコ石ターコイズガーネット柘榴石瑠璃鋼玉ルビーサファイア翡翠碧玉琥珀真珠パール

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改訂新版 世界大百科事典 「アメシスト」の意味・わかりやすい解説

アメシスト
amethyst

紫水晶ともいう。水晶類のうちでは最も高く評価され,紫色を高貴の色とする古くからの風潮によって,日本人にとくに愛好される宝石である。アメシストはギリシア語のamethystos(〈酔わない〉の意)を語源とし,着用すれば悪酔いを防ぐと信じられていた。その色がワイン色に似るところから,バッカス(酒の神)・ストーンともいわれた。また誠実,心の平和を象徴し,2月の誕生石となっている。主要産地はブラジルであるが,そのうちのリオ・グランデ・ド・スル州とミナス・ジェライス州からの産出石は,熱処理によってそれぞれ黄色および緑色に変ずるものがある。黄変した石はリオグランデ・シトリンの名で呼ばれ,緑変した石はグリーンド・アメシストの名称をもつ。アメシストの紫色の着色原因については長い間定説がなかったが,1973年にソ連がアメシストの合成に成功し,一部の鉄分着色中心が存在するところで,放射能の影響によって着色することが判明した。産地はブラジルのほか,隣国のウルグアイ,ロシアのウラル山脈メキシコマダガスカル,ジンバブウェ,ウガンダなどである。合成アメシストはロシアおよび日本で製造されている。
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百科事典マイペディア 「アメシスト」の意味・わかりやすい解説

アメシスト

紫水晶とも呼ぶ。飾石として用いる。主産地はブラジル,ウルグアイ,南ア共和国,メキシコ。2月の誕生石

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世界大百科事典(旧版)内のアメシストの言及

【サファイア】より

…今のサファイアは透明で,彫り刻むことも可能なので,これはラピスラズリだと考えなければつじつまが合わないのだ。それでは古代人は今のサファイアを知らなかったのかというと,これについては何とも断言しがたく,たぶん古代人はアメシストあるいはヒアシンスの名でこれを呼んでいたのではないかと思われる。ヨーロッパのシンボリズムでは,サファイアはまず第一に空の青をあらわしている。…

【水晶】より

…【津末 昭生】
[宝石]
 単に水晶といえば無色透明なものをいい,ときに区別のため特に白水晶という。色のついたものは黄水晶(シトリン),茶水晶(スモーキー・クォーツ),紫水晶(アメシスト)など別の名称で呼ばれ,宝石として使われる。水晶の結晶中にルチルや電気石(トルマリン)の針状結晶が内包されているものは針入り水晶といい,緑色の緑泥石や角セン石などが内包されるときは,草状に見えるところから草入り水晶と呼ばれる。…

※「アメシスト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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