ギシギシ(読み)ぎしぎし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ギシギシ」の意味・わかりやすい解説

ギシギシ
ぎしぎし
[学] Rumex japonicus Houtt.

タデ科(APG分類:タデ科)の多年草。根は太く黄色い。茎は直立し無毛で太く、高さ0.6~1メートル。根出葉は長い柄があり、卵状狭長楕円(だえん)形で長さ10~25センチメートル、縁(へり)が波打ち、両面とも毛がないが、裏面の葉脈沿いに硬い毛があるものもある。6~7月、円錐(えんすい)花穂の各節に両性花が輪生し、各輪に小形の葉が混じる。花被片(かひへん)は6枚で外側の3枚は狭く、果時に展開する。内側の3枚は花期後に大きくなり、広卵形の翼状となり縁に歯牙(しが)があり、中脈の基部には狭卵形の瘤(こぶ)状の突起がある。痩果(そうか)は三稜(さんりょう)形で長さ2.5ミリメートル、褐色で光沢がある。日本、朝鮮半島、中国に分布若芽食用となり、根はアントラキノン類を含み、皮膚病の外用薬とする。

 ギシギシ属は北半球に多くみられ、約200種あり、日本には14種分布する。ノダイオウやマダイオウはその代表的なものであり、アレチギシギシやナガバギシギシなどの帰化種も多い。

[小林純子 2020年12月11日]

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百科事典マイペディア 「ギシギシ」の意味・わかりやすい解説

ギシギシ

日本全土,東アジアの平地にはえるタデ科の多年草。スイバに似るが茎葉酸味がない。根は太くて長く,茎は直立し,高さ1m,細長い葉を互生する。狭長楕円形の根出葉には長い柄がある。6〜8月,淡緑色の小さな花が枝先に総状に集まってつく。花被片は6枚,果実の3枚の翼にはこぶ状突起がある。若葉は食べられ,根を皮膚病の薬とする。アレチギシギシはヨーロッパ原産の帰化植物で,数個の花の集団が互いに離れてつく。

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改訂新版 世界大百科事典 「ギシギシ」の意味・わかりやすい解説

ギシギシ

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世界大百科事典(旧版)内のギシギシの言及

【スイバ】より

…ヨーロッパでは浸出液をミョウバン媒染して毛織物の黄色染料とし,乾燥させた地下茎からは,淡紅色の染料をとった。漢方では,ギシギシと同様に薬用にする。 スイバの所属するギシギシ属Rumex(英名sorrel,dock)は,北半球の温帯域に約200種が分布し,日本にも14種が分布する。…

※「ギシギシ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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