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コラーゲン コラーゲンcollagen

翻訳|collagen

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

コラーゲン
collagen

膠原質ともいった。硬蛋白の一種で,哺乳類,鳥類などの結合組織,骨,歯,靭帯,腱,真皮などから分離され,多くの動物体で最も多量に存在する蛋白質である。繊維を構成する基本単位は,長さ 280nm,幅 1.5nm,分子量約 35万のトロポコラーゲンであるとされる。3本のポリペプチド鎖が縄のようにより合せられた特有の構造をもち,グリシンとプロリンおよびこれから誘導されたヒドロキシプロリン含量が高いのが特色である。水などには溶けないが,水や希酸,希アルカリ長時間煮ると,部分加水分解の結果,ゼラチンといわれる糊状の誘導蛋白質に変る。ゼラチンは,細菌の培地,写真乳剤,薬用カプセル,にかわと呼ばれる接着剤,墨汁の保護コロイドなどとして工業的に広く利用されている。

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知恵蔵の解説

コラーゲン

動物の骨、軟骨、象牙質、腱、皮膚、角膜などの結合組織を構成する主要なたんぱく質。哺乳類では体の総たんぱく質の25%を占める。コラーゲン分子は3本の長いポリペプチドの鎖がらせん状に絡まったもので、その独特のアミノ酸配列が構造の安定化に役立っている。この分子が少しずつずれて多数並んだものが膠原(こうげん)繊維である。成長とともにポリペプチド鎖間に架橋結合が生じて不溶性になり、これが老化の原因の1つと考えられている。コラーゲンを変成処理して可溶性にするとゼラチンができる。

(垂水雄二 科学ジャーナリスト / 2007年)

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デジタル大辞泉の解説

コラーゲン(collagen)

動物の結合組織主成分で、骨・腱(けん)・皮膚などに多く含まれる線維状の硬たんぱく質。煮ると膠(にかわ)ができる。膠原質(こうげんしつ)。

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百科事典マイペディアの解説

コラーゲン

膠原(こうげん)質とも。動物の結合組織,骨,腱(けん)などを構成する硬タンパク質で,哺乳(ほにゆう)類では全タンパク質の約4分の1を占める。分子量約30万,長さ280nmで細長く,3本のポリペプチド鎖が巻きあっている。
→関連項目アイシングラス魚膠

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栄養・生化学辞典の解説

コラーゲン

 動物の結合組織にあるタンパク質で,体内で最も多量に存在するタンパク質である.3本の鎖からなり,近傍の分子間で架橋を作り強固な構造を作る.現在20種ほどが知られ,I,II,とローマ数字で区別される.アミノ酸としては,グリシン,プロリン,ヒドロキシプロリンに富み,リシン,トリプトファンをほとんど含まない栄養価の低いタンパク質.水で煮るとゼラチンになる.

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食の医学館の解説

こらーげん【コラーゲン】

 健康で美しい肌を保つためには多量のビタミン類の摂取が必要ですが、じつは皮膚の組織と組織をつなぐ重要な役割をはたすコラーゲンの生成にも欠かせないのです。とくにビタミンCはコラーゲンの生成を助ける作用があります。
 コラーゲンが不足すると皮膚表面は肌荒れを起こしたり、血管内の細胞がはがれて出血してしまうことも。またコラーゲンは皮膚や血管だけでなく、骨、軟骨、歯、歯ぐきを健康に保つために欠かせない物質です。
 ビタミンCによって生成を助けるだけでなく、コラーゲンは直接食べものからも摂取できます。鶏肉を煮こむとゼラチン質の物質がでますが、これがコラーゲンで、沸騰させるとゼラチン質になるのが特徴です。多くの食品から、直接摂取したり、またビタミンCを摂取することで根本的な肌の健康を保ちましょう。

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漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典の解説

コラーゲン【collagen】

硬たんぱく質のひとつ。動物の体の中の結合組織に多く含まれている繊維性のたんぱく質で、特に皮膚・骨・腱(けん)などに多く含まれており、人体の総たんばく質の約30%を占める成分。アミノ酸からつくられ、骨や軟骨の形成に重要な役割をもち、細胞をつなぎとめる働きをするほか、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の予防、関節痛の緩和、リウマチの改善、アレルギー体質改善、肌の張り・柔軟性の保持などに効果が期待できる。◇「膠原(こうげん)質」ともいう。

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世界大百科事典 第2版の解説

コラーゲン【collagen】

硬タンパク質の一種で無脊椎,脊椎動物をとわず多細胞動物に広く分布し,量的にも最も多く見いだされるタンパク質である。哺乳類では全タンパク質の約1/4をしめる。動物の結合組織を構築している主要な繊維状要素。張力に対してたいへん強いので,腱や靱帯で力を損失することなく伝達するのにつごうがよい。 熱湯処理で徐々に溶けて水に可溶性のゼラチンに変わる。動物の成長とともに分子間に橋かけ構造が生じ不溶性になる。コラーゲンの基本的な構造単位は分子量約30万のトロポコラーゲンである。

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大辞林 第三版の解説

コラーゲン【collagen】

硬タンパク質の一。動物の結合組織の細胞間物質の主成分。繊維状で水に溶けにくい。腱・皮・骨に含まれている。膠にかわの原料。膠原質こうげんしつ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

コラーゲン
こらーげん
collagen

動物の骨、軟骨、腱(けん)、皮膚などを構成するタンパク質で、型の19種を含む28種の存在が知られている。それぞれ分布や機能が異なるが、このうち型が主要な型である。型は皮膚、腱、骨に、型は軟骨、硝子体、型は皮膚、肺、脈管系など、型は基底膜に存在する。コラーゲンは硬タンパク質(アルブミノイド)の一つであるが、ケラチンと異なり伸展性に乏しく、繊維状で存在して構造上の連続体をつくり、細胞相互で組織を形成するのを助ける。脊椎(せきつい)動物中もっとも多く含まれるタンパク質で、全体の約3分の1を占める。分子量約30万。水、希酸、希アルカリ、有機溶媒などに不溶。水、希酸、希アルカリで長時間煮沸すると、可溶性の誘導タンパク質ゼラチン(膠(にかわ))に変性する。このため、膠(こう)原質ともよばれる。構成アミノ酸はプロリン、ヒドロキシプロリン、グリシンが多く、含硫アミノ酸が少ない。なかでも一般のタンパク質には存在しないヒドロキシプロリンを約10%も含むことが特徴である。通常のプロテアーゼによって分解されにくく、コラーゲンに特異的なコラゲナーゼによって分解される。コラーゲン分子は3本の同種あるいは異種のポリペプチド鎖よりなる。これらのポリペプチド鎖が左巻きの螺旋(らせん)状になり、さらにこれが3本集まって右巻きの螺旋状に織り合わされてできた三重螺旋構造をとっている。この三重螺旋部分には3残基ごとにグリシンが存在し、(Gly-X-Y)nの繰り返し構造がみられるが、プロリンはXまたはYに、ヒドロキシプロリンはYに入る。電子顕微鏡下では横紋構造に見える。各結合組織の機能により異なった配列の仕方がみられ、腱(けん)では平行な束として配列し、非常に強固な構造をとっており、皮膚では織り合わされた網をつくって、これが何層にも重なっている。このような構造タンパク質(生体内で構造・形態などを形成・保持するタンパク質)としての機能のほかに、細胞外マトリックスの主成分として細胞の接着および細胞の増殖や分化などに関与している。コラーゲンの異常による疾患には、骨形成不全症、エーラス‐ダンロス症候群(関節や皮膚の異常)およびメンケス症候群(ねじれた毛髪、成長遅延)がある。[飯島道子]
『久保木芳徳他著『次世代タンパク質コラーゲン――動物の起源の謎からバイオオーガンまで』(1986・講談社) ▽松永是・本宮達也編著『おもしろいバイオ新素材のはなし』(1990・日刊工業新聞社) ▽林利彦著『人の体は再生できるか――コラーゲンからさぐる細胞の設計・組立のメカニズム』(1991・マグロウヒル出版) ▽竹市雅俊・宮坂昌之編『細胞接着分子――その生体機能の全貌』(1996・東京化学同人) ▽日本水産学会監修、木村茂編著『魚介類の細胞外マトリックス』(1997・恒星社厚生閣) ▽藤本大三郎著『コラーゲンの秘密に迫る――食品・化粧品からバイオマテリアルまで』(1998・裳華房) ▽宮本武明他編『21世紀の天然・生体高分子材料』(1998・シーエムシー) ▽藤本大三郎著『コラーゲン物語』(1999・東京化学同人) ▽日本水産学会監修、西田清義編『魚貝類筋肉タンパク質――その機構と機能』(1999・恒星社厚生閣) ▽藤本大三郎著『図解雑学 老化のしくみと寿命』(2001・ナツメ社) ▽鈴木喜隆・高橋幸則編著『食の科学――水産食品を中心にして』(2001・成山堂書店) ▽日本水産学会監修、関伸夫・伊藤慶明編『かまぼこの足形成――魚介肉構成タンパク質と酵素の役割』(2001・恒星社厚生閣) ▽松永政司・宇住晃治監修『コラーゲンが導く驚異の核酸バランス』(2002・サクセスマーケティング) ▽白井邦郎著『コラーゲンと美容・健康を語る』(2002・樹芸書房) ▽R・K・マレー他著、上代淑人・清水孝雄監訳『ハーパー生化学』原書28版(2011・丸善) ▽林泰史著『骨の健康学』(岩波新書)』

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世界大百科事典内のコラーゲンの言及

【細胞】より

…糖鎖は各種の単糖の配列の違いによって,生物種や細胞種の違いをよく表している。動物細胞は,細胞が合成し分泌したタンパク質であるコラーゲンcollagen,フィブロネクチンfibronectin,ラミンlaminなどによって覆われ,また,これらのタンパク質は細胞膜と相互作用することによって細胞の形態や機能に影響を与えている。ラミンはコネクチンconnectinを介して細胞表層のアクチン繊維と結合でき,フィブロネクチンは細胞膜を貫く結合タンパク質を介してアクチン繊維と結合でき,結果として,細胞骨格と連動しうる構造になっている。…

【膠原繊維】より

…真皮,腱,靱帯などはこの繊維の集束である。その成分はコラーゲンで,これはグリシン,プロリン,ヒドロキシプロリンを豊富に含む。1本の膠原繊維は膠原原繊維と呼ばれる無数の細い繊維の集まりであり,これはさらに細い幅500~1000Åの膠原細繊維の集まりからなる。…

【硬タンパク質】より

…植物界では硬タンパク質の代りにセルロース類が同じ役割をしているものと考えられている。 例としては骨,皮,腱などに含まれているコラーゲン,靱帯や動脈などの成分であるエラスチン,毛髪,羽毛などのケラチン,絹のフィブロイン,カイメンのスポンジ(海綿質)などが知られている。不溶性の原因はコラーゲンの場合には年齢とともに生ずる分子間の橋かけ結合であり,エラスチンの場合には分子内の橋かけ結合によるものと考えられている。…

【コンドロイチン硫酸】より

…プロテオグリカンは主として細胞間の基質として存在するが,その場合プロテオグリカン分子は,直鎖状のヒアルロン酸を軸にムカデの足状に集合し,プロテオグリカン集合体となる。プロテオグリカン集合体はさらにコラーゲン繊維と相互作用して網目構造を作っている。プロテオグリカン集合体とコラーゲンを結びつけているのはフィブロネクチンと呼ばれる糖タンパク質である。…

【細胞】より

…糖鎖は各種の単糖の配列の違いによって,生物種や細胞種の違いをよく表している。動物細胞は,細胞が合成し分泌したタンパク質であるコラーゲンcollagen,フィブロネクチンfibronectin,ラミンlaminなどによって覆われ,また,これらのタンパク質は細胞膜と相互作用することによって細胞の形態や機能に影響を与えている。ラミンはコネクチンconnectinを介して細胞表層のアクチン繊維と結合でき,フィブロネクチンは細胞膜を貫く結合タンパク質を介してアクチン繊維と結合でき,結果として,細胞骨格と連動しうる構造になっている。…

【皮膚】より


[真皮]
真皮胎生期の中胚葉に由来する結合組織のうちで,とくに繊維性要素が豊富な皮膚深層部分をいう。真皮をつくるじょうぶな繊維性結合組織(ヒトでは厚さ2~8mm)の大部分をなすものは,コラーゲンと呼ばれるタンパク質を主成分とする膠原繊維である。この繊維には,引っ張り力に抗して容易に長さを増さないという性質がある。…

※「コラーゲン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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