肝胆相照らす(読み)カンタンアイテラス

デジタル大辞泉 「肝胆相照らす」の意味・読み・例文・類語

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精選版 日本国語大辞典 「肝胆相照らす」の意味・読み・例文・類語

かんたん【肝胆】 相照(あいて)らす

  1. 互いに心の底まで打ち明けて親しく交わる。互いに心の中まで理解し合って親密に交際する。
    1. [初出の実例]「同儕相陥穽し肝胆相照(カンタンアヒテラ)し」(出典政治小説を作るべき好時機(1898)〈内田魯庵〉)
    2. [その他の文献]〔故事成語考‐朋友賓主〕

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故事成語を知る辞典 「肝胆相照らす」の解説

肝胆相照らす

互いに心の底を打ち明け合える間柄のたとえ。

[使用例] 私にしても、竜田君とは長年の親友ですよ。肝胆相照らした仲だったのです[高木彬光検事霧島三郎|1964]

[由来] 「西京雑記―三」に見える逸話から。紀元前三世紀の終わり、しん王朝が滅びた際に、その宝物庫の中から、人の体の内部を映し出せる鏡が出てきました。暴虐で知られた秦の始皇帝は、それを使って「宮人を照らし、きも張りしん動けば則ちこれを殺す(女官たち内蔵を見て、たんのう心臓がびくびくしていたら、殺してしまった)」とのことです。ここから、「胆を照らす」という表現が生まれました。また、「肝胆」は、「肝胆を披くのように、まごころのたとえとして使われます。「肝胆相照らす」は、この二つから生じた表現かと思われます。

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ことわざを知る辞典 「肝胆相照らす」の解説

肝胆相照らす

たがいに心の底をうちあけて話すことができる。深く理解し合ってつき合える。

[使用例] それから僕は爺さんと大いに肝胆相照らして、二週間の間面白く逗留して[夏目漱石吾輩は猫である|1905~06]

[解説] 「肝胆」は肝臓胆嚢

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