肝胆相照らす(読み)カンタンアイテラス

デジタル大辞泉 「肝胆相照らす」の意味・読み・例文・類語

肝胆かんたんあいら・す

互いに心の底まで打ち明けて親しくつきあう。「彼とは―・す仲だ」
[類語]心が通う心を通わす気が置けない胸襟を開く腹を割る心を開く心を許す気を許す以心伝心呼応意気投合合意コンセンサス息が合う反りが合う反り馬が合う気が合う肌が合う琴瑟きんしつ相和す打てば響くつうかあファミリアフレンドリーアットホームドメスティック家庭的打ち解ける解け合う馴染む親しむ心安い水いらず親しい近しい気安いむつまじい親密懇意昵懇じっこん懇親別懇ねんご親愛和気藹藹あいあい仲良し人なつこい取っ付きやすい懐こい如才ない調子がいいなれなれしい馴染み深いつうつう応える共鳴同感共感拈華微笑ねんげみしょう心を合わせる心を一にする心を交わす心を以て心に伝う

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精選版 日本国語大辞典 「肝胆相照らす」の意味・読み・例文・類語

かんたん【肝胆】 相照(あいて)らす

  1. 互いに心の底まで打ち明けて親しく交わる。互いに心の中まで理解し合って親密に交際する。
    1. [初出の実例]「同儕相陥穽し肝胆相照(カンタンアヒテラ)し」(出典政治小説を作るべき好時機(1898)〈内田魯庵〉)
    2. [その他の文献]〔故事成語考‐朋友賓主〕

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故事成語を知る辞典 「肝胆相照らす」の解説

肝胆相照らす

互いに心の底を打ち明け合える間柄のたとえ。

[使用例] 私にしても、竜田君とは長年の親友ですよ。肝胆相照らした仲だったのです[高木彬光検事霧島三郎|1964]

[由来] 「西京雑記―三」に見える逸話から。紀元前三世紀の終わり、しん王朝が滅びた際に、その宝物庫の中から、人の体の内部を映し出せる鏡が出てきました。暴虐で知られた秦の始皇帝は、それを使って「宮人を照らし、きも張りしん動けば則ちこれを殺す(女官たち内蔵を見て、たんのう心臓がびくびくしていたら、殺してしまった)」とのことです。ここから、「胆を照らす」という表現が生まれました。また、「肝胆」は、「肝胆を披くのように、まごころのたとえとして使われます。「肝胆相照らす」は、この二つから生じた表現かと思われます。

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ことわざを知る辞典 「肝胆相照らす」の解説

肝胆相照らす

たがいに心の底をうちあけて話すことができる。深く理解し合ってつき合える。

[使用例] それから僕は爺さんと大いに肝胆相照らして、二週間の間面白く逗留して[夏目漱石吾輩は猫である|1905~06]

[解説] 「肝胆」は肝臓胆嚢

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