デジタル大辞泉 「拈華微笑」の意味・読み・例文・類語
ねんげ‐みしょう〔‐ミセウ〕【×拈華▽微笑】
[補説]この語の場合、「微笑」を「びしょう」とは読まない。
[類語]以心伝心・呼応・意気投合・合意・コンセンサス・息が合う・反りが合う・反り・馬が合う・気が合う・肌が合う・
禅宗で、釈尊(しゃくそん)(釈迦(しゃか))と弟子の迦葉(かしょう)の付法(仏法の伝授)の物語をいう。釈尊が霊鷲山(りょうじゅせん)で蓮華(れんげ)をかざして大衆に示したとき、大衆はみな黙ってしまったが、ただ迦葉だけはにっこりほほえんだ。そこで釈尊は「正法眼蔵涅槃妙心(しょうぼうげんぞうねはんみょうしん)、実相無相微妙法門(じっそうむそうみみょうほうもん)」の仏教の真理を迦葉に伝えたとする話。北宋(ほくそう)代の偽経『大梵天王問仏決疑経(だいぼんてんのうもんぶつけつぎきょう)』に初めてみえる話であるが、宋代以降の禅宗で盛んに用いて、「以心伝心不立文字(いしんでんしんふりゅうもんじ)」の主張を根拠づける話とした。釈尊の教えが、知識分別では把握できないものであることを説いたものである。
[石井修道]
出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報
禅宗の起りを説く故事,公案の一つ。以心伝心,不立文字の意。唐代に萌芽があり,宋代に定型化される。《無門関》第10則にあるのが,もっとも著名である。釈迦が霊鷲山で大勢の弟子に説法していると,梵天が金波羅花を献ずる。釈迦は,これをうけとると黙って弟子たちに示す。だれもその意味を理解できない。長老の摩訶迦葉だけが,ひとり微笑する。釈迦は,我に正法眼蔵,涅槃妙心,実相無相,微妙の法門あり,不立文字,教外別伝,今,摩訶迦葉に付す,と言ったとするもの。
執筆者:柳田 聖山
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…釈尊は,霊鷲山(りようじゆせん)において,8万の大衆を前にして金波羅華をかかげ拈(ねん)じたが,それをみた大衆のうち摩訶迦葉(まかかしよう)ただ一人がその意を悟って破顔微笑し,摩訶迦葉は釈尊から正法を授受されたといわれ,そこに以心伝心のあったことが示されている。この故事を拈華微笑(ねんげみしよう)という。禅門では,ことばや文字,経論によることなく,師資相対して心から心に禅の大法を伝えてきた。…
※「拈華微笑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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