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タンニン タンニン tannin

翻訳|tannin

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

タンニン
タンニン
tannin

植物界に広く存在し,皮革のなめしに用いられる渋の総称。普通は没食子 (もっしょくし) や五倍子などの虫こぶから抽出された黄色粉末状物質をいう。収斂性の味をもち,鉄塩と反応して青黒色の沈殿を生じる。

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デジタル大辞泉の解説

タンニン(tannin)

一般に、水溶液が強い収斂(しゅうれん)性をもち、皮をなめす性質のある物質の総称。数種の有機化合物混合物。植物界に広く存在し、俗に渋ともいい、五倍子(ふし)没食子(もっしょくし)に多く含まれる。皮なめし剤・媒染剤インクなどに利用。

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百科事典マイペディアの解説

タンニン

水溶液が鞣皮性を持つ植物成分で,多数のフェノール水酸基をもつ芳香族化合物の総称。分子量は600〜2000ぐらい。収斂(しゅうれん)性の味をもつ。ピロガロールタンニン,カテコールタンニンに大別される。
→関連項目カテキン止血薬タンニンなめし(鞣)鉄剤薬用植物

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栄養・生化学辞典の解説

タンニン

 植物の褐変に関与するポリフェノール.獣皮をなめす性質がある.柿渋はその一つ.茶のタンニンはカテキンとよばれるタンニンの一群に属し,獣皮をなめす性質は弱い.⇒カテキン

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世界大百科事典 第2版の解説

タンニン【tannin】

動物の皮を,通水性,通気性に乏しい革にすることができる植物成分。渋(しぶ)ともいう。原料は樹皮,実,葉,木部などで,多くはこれらの熱水可溶物である。2000年も昔から知られていたが,タンニンという名は18世紀末につけられ,以来,多くの物質がタンニンとよばれてきた。近年,植物起源の水溶性フェノール類が,鞣皮(じゆうひ)性があるなしにかかわらずタンニンとよばれることも多い。 日本のタンニン資源としてはカシワやツガの樹皮が著名で,漁網の染料としても使われていた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

タンニン
たんにん / 単寧
tannin

鞣質(じゅうしつ)ともいう。動物の生皮を革になめす性質をもつ一群の収斂(しゅうれん)性の植物ポリフェノールに対する慣用的総称名。濃度の差はあるが植物界に広く分布し、木部・樹皮・葉・果実・根などに含まれ、ブナ科植物やヌルデなど特定の樹木の樹皮や虫瘤(むしこぶ)(没食子(ぼっしょくし/もっしょくし)、五倍子(ごばいし))にとりわけ高濃度に存在する。また果実や種子では未熟なものに多い。タンニンのフェノール基がタンパク質のペプチド鎖アミノ基-NH2と水素架橋されるため、タンパク質、とくにコラーゲンと強く結合する。またアルカロイドと不溶性の沈殿をつくり、鉄()イオンと反応して緑色または紫黒色の錯化合物を形成する性質がある。植物体内での生理機能としては、生体防御作用があげられる。微生物が植物体の細胞壁を壊すために分泌する加水分解酵素と結合し、その機能を抑えることで微生物による病害を防ぐことや、草食動物の胃腸内消化酵素と結合し、消化機能を阻害することにより食害を抑えることなどが考えられる。[上原亮太・馬渕一誠]

分類

加水分解型タンニンと縮合型タンニンに大別される。加水分解型タンニンは酸・アルカリ・タンナーゼ(タンニンの分解酵素)により加水分解され、没食子酸・エラグ酸(抗酸化作用をもつポリフェノール類の一種)などを生成する。縮合型タンニンは重合して不溶性、褐色のフロバフェン(色素)を生じる。緑茶のカテキン類や柿渋(かきしぶ)のロイコアントシアンなどがその例であり、収斂性の渋みがある。これは粘膜と唾液(だえき)のタンパク質にタンニンが結合することによる。[上原亮太・馬渕一誠]

製法

粗タンニンは、五倍子や没食子などを煮沸して不溶性物質を除いたのちの赤褐色の粘性の大きい液体を蒸発乾固して得られる。さらに、これからアルコール・エーテル混合物で抽出し、精製することができる。いくつかのタンニンはすでに単一物質として結晶状に単離されているが、多くは数種の混合物で白色ないし淡褐色の不定形粉末として得られている。[上原亮太・馬渕一誠]

用途

皮革製造用、媒染剤(織物を染める際の色留め)、紙のサイズ剤(にじみ留め、防湿剤)、ゴムの凝固剤、また万年筆のブルーブラック・インクの製造などタンニンの工業的用途は広い。皮をなめすと、獣皮のおもなタンパクであるコラーゲンにタンニンが結合し、微生物による分解が防がれる。インク製造は鉄()イオンとの錯化合物形成反応を利用したものである。また、収斂作用に由来する消化器系への消炎・止瀉(としゃ)効果から胃腸薬、止瀉薬にも使われている。[上原亮太・馬渕一誠]

食品

食品に含まれるタンニンには渋味の原因物質から、色素やあくの成分まで幅が広い。カテキンやクロロゲン酸などが主成分で、多数のポリフェノール類が結合して高分子となったものと低分子のものとがある。一般に渋といわれるのはこの高分子のタンニンで、カキ、チャ類に多く含まれる。一方、リンゴ、モモ、ナシ、ゴボウ、蓮根(れんこん)など多くの野菜、果物には低分子のタンニン系色素が含まれている。これらの色素は酵素や鉄分によって褐色、黒色などに変色する性質がある。
 タンニンは食品のもつ風味や色合いに関係する。タンニンの構成成分によって渋味や苦味の程度が異なる。その一例として、没食子酸が結合したタンニンは渋味があり、また、クロロゲン酸類が結合すると苦味を呈する(例、コーヒーのカフェタンニン)。紅茶、緑茶、コーヒーなどは、タンニンのもつ渋味、苦味、色調をコントロールすることによって嗜好(しこう)性をつくりだしている食品である。[河野友美]
『大柳善彦・吉川敏一編『フリーラジカルの臨床』(1990・日本医学館) ▽三橋博他編『天然物化学』(1992・南江堂) ▽寺田昌道著『柿渋クラフト――柿渋染めの技法』(2000・木魂社)』

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世界大百科事典内のタンニンの言及

【有用植物】より

…染料植物は特に衣服の加工や装飾に重要な役割を果たしていた。染料と同じような目的に多用されたものに,タンニンがある。これは特に動物の皮のなめしに重要な役割を果たしただけでなく,防腐用,表面保護用にも用いられた。…

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