中和(読み)ちゅうわ(英語表記)neutralization

翻訳|neutralization

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

中和(ちゅうわ)
ちゅうわ
neutralization

正電荷と負電荷、酸と塩基、あるいは毒素と抗毒素のように、互いに対立する性質をもつものどうし(正負、陰陽など)が作用しあい、それぞれの属性が打ち消し合うことをいう。
 酸と塩基の場合、その定義によっていくらかの差はあるが、スウェーデンのアレニウスの定義によれば、水素陽イオン(実はヒドロニウムイオン)と水酸化物イオンとの反応が中和である。
  H++OH-→H2O
   (H3O++OH-→2H2O)
酸HAと塩基BOHとの反応であれば、
  HA+BOH―→BA+H2O
となり、中和反応によって水と塩BAを生ずる。この中和反応は、反応速度が大きく、熱量の発生も大きい特徴がある。この熱量を中和熱というが、希薄な強酸・強塩基中和反応では、酸・塩基の種類によらず、1モル当り約58.2キロジュール(約13.9キロカロリー)となる。
 デンマークのブレンステッドの定義によれば、プロトン性溶媒が解離して生じた共役酸イオンと共役塩基イオンが反応して、溶媒分子を与える反応が中和である。ブレンステッドおよびアメリカのG・N・ルイスの定義によれば、固相反応あるいは気相反応においても酸・塩基の反応が説明される。
  CaO+2HCl―→CaCl2・H2O
  Na2O+SiO2→Na2SiO3[岩本振武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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