何心無い(読み)ナニゴコロナイ

デジタル大辞泉 「何心無い」の意味・読み・例文・類語

なにごころ‐な・い【何心無い】

[形][文]なにごころな・し[ク]はっきりした考え、意図がない。なにげない。また、無心である。
万年筆で―・く二三行書きかけた時」〈漱石明暗
「―・く御前にもて参りて」〈堤・虫めづる姫君
[類語]広い寛闊かんかつ寛大寛容寛弘かんこう広量大様おおよう大らかおっとりさりげない何気ないそれとなくそれとなしに遠回し気軽い何とはなし鷹揚おうよう磊落らいらく開豁かいかつ闊達豪胆豪放剛毅放胆大胆太っ腹雅量大量悠揚悠然泰然泰然自若綽然しゃくぜん自若悠悠浩然堂堂正正堂堂毅然肝が据わる腹が据わる

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精選版 日本国語大辞典 「何心無い」の意味・読み・例文・類語

なにごころ‐な・い【何心無】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]なにごころな・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 何の深い意図・配慮もない。なにげない。
    1. [初出の実例]「たまはりてなに心なく掻きならすに、天地ゆすりて響く」(出典:宇津保物語(970‐999頃)吹上下)
    2. 「万年筆で何心(ナニゴコロ)なく二三行書きかけた時」(出典:明暗(1916)〈夏目漱石〉一五)
  3. 無邪気である。また、無心である。
    1. [初出の実例]「うち笑みたる顔の、なに心なきが、愛敬づき、匂ひたるを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)松風)
  4. 転じて、厚かましく平気である。
    1. [初出の実例]「世を富貴に暮せし人は、人の金銀取乱せしほとりへも何心なく居ながれ」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)三)

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