大様(読み)オオヨウ

デジタル大辞泉 「大様」の意味・読み・例文・類語

おお‐よう〔おほヤウ〕【大様】

[形動][文][ナリ]
意味・音の類似から「鷹揚」とも書くが、元来別語》落ち着きがあって、小さなことにこせこせしないさま。「大様に構える」「大様性格
大まかなさま。大ざっぱ。
山法師の心の程を思へば、―ながらもことわりなり」〈太平記・八〉
[派生]おおようさ[名]
[副]だいたい。おおよそ。おおかた。
「―、人を見るに、少し心ある際は」〈徒然・五九〉
[類語]広い寛闊かんかつ寛大寛容寛弘かんこう広量大らかおっとりさりげない何気ないそれとなくそれとなしに何心ない遠回し気軽い何とはなし鷹揚おうよう磊落らいらく開豁かいかつ闊達豪胆豪放剛毅放胆大胆太っ腹雅量大量悠揚悠然泰然泰然自若綽然しゃくぜん自若悠悠浩然堂堂正正堂堂毅然肝が据わる腹が据わる

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精選版 日本国語大辞典 「大様」の意味・読み・例文・類語

おお‐ようおほヤウ【大様】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 形動 )
    1. 落ち着いて、小さなことにこせこせしないさま。ゆったりとおおらかなさま。
      1. [初出の実例]「按察使(あぜち)大納言とかいふ人の、おほやうなるも」(出典:今鏡(1170)八)
    2. ぼんやりして、愚鈍なさま。
      1. [初出の実例]「総領息子は大様(オホヤウ)にて、父の前でも〈略〉返事せず」(出典:長唄・傀儡師(1815))
    3. おおざっぱであるさま。おおまか。だいたい。
      1. [初出の実例]「大やうは習ひたる歌は数多ありしに」(出典:梁塵秘抄口伝集(12C後)一〇)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 おおよそ。だいたい。おおかた。
    1. [初出の実例]「大僧上は、おほやう西行がふりなり」(出典:後鳥羽院御口伝(1212‐27頃))

大様の語誌

「大様(おほやう)」と「鷹揚(おうやう)」とは、本来別語であった。「鷹揚」は、古くより存した漢語で、空を飛ぶ鷹の姿から、ゆったりとして威厳をもち、武勇があるさまをさしたが、日本では、江戸時代以降、「譬喩尽」に「鷹揚(をうやう)にみせて我物不入 大様大容大用並に同」とあるように、「大様」と混同されるようになる。→「おうよう(鷹揚)」の語誌。

大様の派生語

おおよう‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

大様の派生語

おおよう‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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