おっとり(読み)オットリ

デジタル大辞泉 「おっとり」の意味・読み・例文・類語

おっとり

[副](スル)
人柄しぐさなどが、落ち着いていてこせこせとしないさま。おおようなさま。「おっとり(と)構える」「良家の出らしいおっとりした振る舞い」
日ざしなどが、暖かく穏やかに感じられるさま。
「白い霜を一度くだいた日が、…往来を―と一面に照らしていた」〈漱石・彼岸過迄〉
[類語]広い寛闊かんかつ寛大寛容寛弘かんこう広量大様おおよう大らかさりげない何気ないそれとなくそれとなしに何心ない遠回し気軽い何とはなし鷹揚おうよう磊落らいらく開豁かいかつ闊達豪胆豪放剛毅放胆大胆太っ腹雅量大量悠揚悠然泰然泰然自若綽然しゃくぜん自若悠悠浩然堂堂正正堂堂毅然肝が据わる腹が据わる物静か内気弱気引っ込み思案気弱内弁慶陰弁慶臆病大人しいこわがり小心小胆怯懦きょうだ怯弱きょうじゃく意気地なし小心翼翼弱腰薄弱惰弱柔弱軟弱優柔不断やわやわ弱弱しい女女しい弱音を吐く・音を上げる・悲鳴を上げる・気が弱い腰が弱い煮え切らない肝が小さい・肝っ玉が小さい・温順柔順従順温柔温良順良素直穏和おだやかおとなしやか控えめ優しい内向的人見知りしんねりむっつりシャイ心静か安らか安穏のどか悠長どっしり気長伸び伸び伸びやかのんびり屈託無い自然体のんどりしなやかしとやかなよやかなよなよしっとり物柔らか静静しずしずソフト婉然えんぜんしおらしい閑語たおやかナイーブ心優しい柔和温雅静心しずこころ従容しょうよう悠悠閑閑おおどかつつましい奥ゆかしい平静冷静しみじみしっぽりしんみり静まる温顔温容春風駘蕩たいとう穏便粛粛静謐せいひつ静粛

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「おっとり」の意味・読み・例文・類語

おっとり

  1. 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴って用いる場合もある )
  2. 人柄、態度などが、おおようで、こせこせしていないさま。
    1. [初出の実例]「何処か鷹揚な、柔みのある、おっとりした眼鼻立のしまった人物で」(出典:玄武朱雀(1898)〈泉鏡花〉六)
  3. ( 比喩的に ) 日ざしやあたりの様子などがおだやかなさま。
    1. [初出の実例]「白い霜を一度に摧(くだ)いた日が、〈略〉穏かな往来をおっとりと一面に照らしてゐた」(出典:彼岸過迄(1912)〈夏目漱石停留所)

おっとりの補助注記

高田保「舗道雑記帖‐銀座雑記帳」には「幾分好人物のやうなおっとりさで、歩調を合せながらついてゐたものなのだ」のように、接尾語「さ」の付いた名詞「おっとりさ」の例が見られる。

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