傾城・契情(読み)けいせい

精選版 日本国語大辞典 「傾城・契情」の意味・読み・例文・類語

けい‐せい【傾城・契情】

〘名〙 (「漢書‐光武李夫人」の「北方有佳人、絶世而独立、一顧傾人城、再顧傾人国」から出た語)
① 美人の色香におぼれて、城や国を傾け滅ぼすこと。
※とはずがたり(14C前)一「正月より二月十七日までは御精進なりとて、御けいせいなどいふ御沙汰、絶えてなし」
② 美しい女性。美人。美女。傾国
平家(13C前)四「夜陰に及で、陣外より傾城のもとへかよはれん時」
遊女女郎近世には特に太夫天神など上位の遊女をさすことがある。傾婦。
※宇治拾遺(1221頃)一二「一条桟敷屋に、ある男とまりて、傾城とふしたりけるに」
浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)鐘入「名を傾国と今の世も人の心をやはらぐる。和国にながれ立花の、花の情のちぎりと書いてけいせいとはなづけたりや」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android