デジタル大辞泉 「稀」の意味・読み・例文・類語


き【稀】[漢字項目]

人名用漢字] [音]キ(漢) ケ(呉) [訓]まれ
〈キ〉
めったにない。「稀覯きこう稀少稀代古稀
濃度が薄い。まばら。「稀薄
〈ケ〉1に同じ。「稀有けう
[補説]「」と通用する。

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精選版 日本国語大辞典 「稀」の意味・読み・例文・類語

まれ【稀・希・罕】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙
  2. 全くないというわけではなく、ごく少し存在するさま。数少なく珍しいさま。稀少。
    1. [初出の実例]「具足(そだ)れる人の 踏みし足跡(あと)どころ 麻礼爾(マレニ)もあるかも」(出典仏足石歌(753頃))
  3. 機会や場合が、ごく少ないさま。たまさか。
    1. [初出の実例]「かく許あふひのまれになる人をいかがつらしとおもはざるべき〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)物名・四三三)

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普及版 字通 「稀」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 12画

[字音] キ・ケ
[字訓] まれ・すくない

[説文解字]

[字形] 形声
声符は希(き)。〔説文〕七上に「なり」とあり、稀の意とする。また徐説に、〔説文〕に希の字がなく、爻は稀の意、巾は禾の根茎の象で、希を稀の初文とする。希はの従うところでその織文。粗く織りなした帛。その意を禾苗に施して稀という。

[訓義]
1. まれ、禾苗がまばらであること。
2. すくない、うすい、とぼしい。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕稀 宇須志(うすし)、、万礼良尓(まれらに) 〔名義抄〕稀 マレナリ 〔字鏡集〕稀 マレナリ・マレラナリ・スクナシ・トモシ・メヅラシ・タフトシ・オロ(ソ)カナリ・エラブ・ウバフ・ネガフ・シロキキビ

[語系]
稀・希xiiは同声。罕xanもその系列の語。〔爾雅、釈詁〕に「希は罕なり」、〔論語、先進〕「瑟を鼓すること希なり」は稀の意である。

[熟語]
稀豁稀闊・稀罕・稀希・稀・稀曠・稀釈・稀少・稀世稀省・稀絶・稀・稀代稀年・稀薄稀微・稀糜・稀密稀滅稀齢
[下接語]
依稀・古稀・行稀・人稀・髪稀・夢稀・友稀

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