デジタル大辞泉
「希有」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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け‐う【希有・稀有】
- 〘 名詞 〙 ( 形動 )( 「け」「う」は「希」「有」の呉音 )
- ① めったにないこと。珍しいこと。
- [初出の実例]「但聞レ是希故云二希有一」(出典:勝鬘経義疏(611)歎仏真実功徳章)
- 「『琉球風炉に、チンカラ、なぞといふがありヤス』『ハテけうな名じゃな』」(出典:洒落本・文選臥坐(1790)東北の雲談)
- [その他の文献]〔孔叢子・雑訓〕
- ② 不思議なこと。
- [初出の実例]「是に希有の想を発して禅師に白して言はく」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
- 「いとあやしうけうのことをなんみ給へし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)手習)
- [その他の文献]〔法華経‐序品〕
- ③ ( 多く悪い事について ) 意外であること。とんでもないこと。
- [初出の実例]「御房は希有(けうの)事云ふ者かな」(出典:今昔物語集(1120頃か)二四)
- 「こは希有の狼籍かな」(出典:徒然草(1331頃)一〇六)
希有の語誌
( 1 )仏典を通じて受け入れられた語か。
( 2 )中世には「希有の命を生きる」のような慣用句が生じて、九死に一生を得るの意味で、軍記物語に多く用いられている。
き‐ゆう‥イウ【希有・稀有】
- 〘 名詞 〙 ( 「きゆう」は「希有」の漢音 ) 存在がまれであること。めったに出現しないこと。普通は呉音で「けう」という。〔広益熟字典(1874)〕
- [初出の実例]「『浅草寺縁起』の序文に〈略〉爾来当山は一千三百余年の久しきにわたり、皇国希有(キイウ)の霊刹(れいさつ)」(出典:浅草紅団(1929‐30)〈川端康成〉二一)
け‐ぶ【希有・稀有】
- 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「けう(希有)」の変化した語 ) ふしぎなさま。奇妙なさま。
- [初出の実例]「ヤア米屋へ米を売るとは、ムム払ひ米か、どれどれ、ハアしたがこいつ、けぶな米じゃわい」(出典:咄本・軽口大黒柱(1773)一)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「希有」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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