不可思議(読み)フカシギ

デジタル大辞泉 「不可思議」の意味・読み・例文・類語

ふか‐しぎ【不可思議】

[名・形動]
常識では考えられないこと。考え及ばないこと。異様なこと。また、そのさま。「不可思議現象
人間認識理解限界を超えていること。また、そのさま。仏の智慧神通力などの形容に用いる。不思議。「不可思議功徳くどく」「不可思議りき
数の単位10の64乗。一説に10の80乗。→くらい[表]
[派生]ふかしぎさ[名]
[類語]不思議怪異奇妙奇怪奇異怪奇面妖奇天烈摩訶不思議けったい奇っ怪奇奇怪怪怪しい伝奇謎めく神秘霊妙不可解ミステリアス異常異様不審不自然奇態風変わり特異異状異例非常別条変ちくりん変てこ変てこりん妙ちきりんおかしいおかしな珍奇新奇珍妙奇抜奇警奇想天外突飛ファンシー突拍子もない奇跡的奇しくも期せずしてまぐれまれたま珍しい貴重珍貴珍稀得難い稀有けう未曽有空前絶後前代未聞

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精選版 日本国語大辞典 「不可思議」の意味・読み・例文・類語

ふか‐しぎ【不可思議】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 仏語。ことばでいうことも心で思いはかることもできないこと。ことばも心も及ばないこと。仏菩薩の智慧や神通力、または経典に説く種々の行為など、言語思慮の及ばない境地をさしていう。
    1. [初出の実例]「言勝鬘本是不可思議、但迹在七地」(出典:勝鬘経義疏(611)歎仏真実功徳章)
  3. 限りなく深いこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「二人の親の悲しみの不可思議なる憐みにや」(出典:大観本謡曲・竹雪(室町末))
  4. 考えも及ばない不思議なこと。怪しく異様なこと。ふつうとは非常にかけ離れていること。また、そのことやそのさま。
    1. [初出の実例]「不馬上随身、乗檳榔毛出行、不可思議事也」(出典:台記‐保延二年(1136)一一月二日)
  5. 数の単位。一〇の六四乗。一説に一〇の八〇乗。

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四字熟語を知る辞典 「不可思議」の解説

不可思議

考えも及ばない不思議なこと。怪しく異様なこと。ふつうとは非常にかけ離れていること。

[活用] ―な・―だ。

[使用例] 周囲一面から出る一種凄じい音響は、暗闇に伴って起る人間の抵抗し難い不可思議な威嚇であった[夏目漱石*行人|1912~13]

[使用例] テーブルスピーチの時に、あの野郎、ゴザイマスルという不可思議な言葉をつかったのには、げっとなった[太宰治斜陽|1947]

[解説] もとは仏教語で、ことばでいうことも心で思いはかることもできないこと。さつや神通力、または経典に説く種々の行為など、言語・思慮の及ばない境地をさしていいます。

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世界大百科事典(旧版)内の不可思議の言及

【七不思議】より

…〈不思議〉は元来,仏教語〈不可思議〉の略で,思議すべからざること,つまり心で思うことも,言葉でいうこともできないようなことを指し,経典には4種,5種,10種などの不可思議がみえている。日本では〈七不思議〉という言葉は,古く嘉禎4年(1238)の奥書をもつ《諏方上社物忌令之事》に,信州諏訪大社の神威を表すものとして用いられている。…

※「不可思議」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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