口を利く(読み)クチヲキク

デジタル大辞泉 「口を利く」の意味・読み・例文・類語

くち・く

ものを言う。話をする。「生意気な―・く」
仲を取り持つ。「なんとか先方に―・いてもらいたい」
口が達者である。
坂東武者は馬の上でこそ口はきき候ふとも」〈平家一一
幅を利かす。
「さてこの宿に口きくやさ者は」〈浮・一代男・二〉
[類語]言う話すしゃべる語る述べる発言する口に出す口にする吐く漏らす口走る抜かすほざくうそぶく言い出すしゃべくる物言う伝える告げる物語る打ち明ける明かす説明する述懐する告白する口外こうがいする他言たごんする言い掛ける言い始める言い話し込む話しかける口に上る口の端に掛かる口を開く口を切る申し述べる(尊敬)おっしゃる仰せられるのたま謙譲申し上げる申す言上ごんじょうする

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精選版 日本国語大辞典 「口を利く」の意味・読み・例文・類語

くち【口】 を 利(き)

  1. ものを言う。話をする。
    1. [初出の実例]「すべてくちもきかねばえ書きも続けず」(出典:栄花物語(1028‐92頃)鳥辺野)
  2. 巧みにものを言う。口が達者である。大言壮語する。
    1. [初出の実例]「兄の殿原は、口(クチ)こそ聞給ふとも、はかばかしきことよもあらじ」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)中)
  3. 人中でものが言える。人々の間で重んぜられる。はばがきく。はぶりがよい。
    1. [初出の実例]「某がしも人にしられて口をもきひたものじゃに」(出典:虎明本狂言・武悪(室町末‐近世初))
  4. 密告する。訴える。
    1. [初出の実例]「上下へ口をきき候はん人は、地下のあく人にてあるへく候」(出典:王子神社文書‐延徳三年(1491)一〇月二四日・紀伊粉河寺東村地下掟)
  5. 二つのものの間がうまくいくよう、とりもつ。第三者が話をする。調停する。なかだちをする。
    1. [初出の実例]「藪から村へぬけるうら道〈支考〉 喰ひかねぬ聟も舅も口きいて〈芭蕉〉 何ぞの時は山伏になる〈曲翠〉」(出典:俳諧・続猿蓑(1698)上)

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