漏らす(読み)モラス

デジタル大辞泉 「漏らす」の意味・読み・例文・類語

もら・す【漏らす/×洩らす】

[動サ五(四)]
液体などを漏れるようにする。こぼす。「水も―・さぬ備え」
秘密や隠していることを知らせる。「秘密を―・す」
心中の思いを口に出していう。また、感情を思わず表情や声に出す。「本音を―・す」
必要な事柄をぬかす。落とす。「必要事項には―・さず記入する」
とり逃がす。「一匹も―・さず捕まえる」
(動詞の連用形に付いて)必要なことをし忘れる。「言い―・す」「聞き―・す」
[可能]もらせる
[類語](2漏洩漏れる漏洩ろうせつ筒抜け・漏れ出る・漏出リーク露見発覚ばらすばれる暴露暴くすっぱ抜くさらけ出す現れる・暴き出す・暴き立てる白日の下に晒す露呈発表公表披露公開露出裸出丸出しむき出しあらわあからさま露骨/(3言う話すしゃべる語る述べる発言する口を利く口に出す口にする吐く口走る抜かすほざくうそぶくしゃべくる物言う伝える告げる物語る打ち明ける明かす説明する述懐する告白する口外こうがいする他言たごんする言い出す言い掛ける言い始める言い話し込む話しかける口に上る口の端に掛かる口を開く口を切る申し述べる(尊敬)おっしゃる仰せられるのたま謙譲申し上げる申す言上ごんじょうする

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「漏らす」の意味・読み・例文・類語

もら・す【漏・洩】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. もれるようにする。水や音声などを、すきまから出す。涙などを思わずこぼす。
    1. [初出の実例]「などてかくあふごかたみになりにけん水もらさじと結びしものを」(出典:伊勢物語(10C前)二八)
    2. 「便穢を泄(モラサ)ずして、牀より顛墜すること無けむ」(出典:不空羂索神呪心経寛徳二年点(1045))
  3. 秘密やはかりごとを、うっかり、または、ひそかに他へ知らせる。
    1. [初出の実例]「山背大兄、〈略〉是の議(はかりこと)を漏(モラシ)(き)きつ」(出典:日本書紀(720)舒明即位前(北野本訓))
  4. 心の奥深くに思っていることを、うっかり表情などに現わす。また、感情などを、思わず外に現わす。
    1. [初出の実例]「心おごりして、すきずきしき心ばへなど、もらし給ふな」(出典:源氏物語(1001‐14頃)藤裏葉)
  5. 必要な事柄を、入れそこなう。落とす。抜かす。また、省く。
    1. [初出の実例]「是の日に大舎人 姓名を闕(モラセ)り」(出典:日本書紀(720)雄略即位前(前田本訓))
  6. とり逃がす。逸する。逃がしてしまう。
    1. [初出の実例]「一騎ももらすな、あますな。うちとれや、くみとれや」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)上)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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