告げる(読み)ツゲル

デジタル大辞泉 「告げる」の意味・読み・例文・類語

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「告げる」の意味・読み・例文・類語

つ・げる【告】

  1. 〘 他動詞 ガ下一段活用 〙
    [ 文語形 ]つ・ぐ 〘 他動詞 ガ下二段活用 〙 ( 「継ぐ」と同源。言葉によって相手に事柄を伝え受けつがせる意 )
  2. 伝え知らせる。報告する。注進する。
    1. [初出の実例]「青丹よし奈良の都に行く人もがも 草枕旅行く船の泊(とまり)都㝵(ツゲ)むに」(出典万葉集(8C後)一五・三六一二)
    2. 「大進物きこえんと有と人のつくるをきこしめして」(出典:能因本枕(10C終)六)
    3. 「偖その日は朝まだきより、良人金之介に別れを告(ツゲ)」(出典:人情本・清談若緑(19C中)四)
  3. 知らせ教える。説く。
    1. [初出の実例]「二上(ふたがみ)の彼面(をても)此面(このも)に網さして吾が待つ鷹を夢に都気(ツゲ)つも」(出典:万葉集(8C後)一七・四〇一三)
  4. ふれ示す。広く伝える。多くの人々に知らせる。
    1. [初出の実例]「㝡後(さいご)の時に臨て、院の内の止事无き学生(がくしゃう)并に聖人達を集めて、告て云く」(出典:今昔物語集(1120頃か)一二)
    2. 「夕を告げる鐘も鳴らないまま」(出典:助左衛門四代記(1963)〈有吉佐和子〉終)
  5. (ある事がらが)ある状態になったことを示す。
    1. [初出の実例]「一家再び倒産の憐れを告(ツゲ)ければ」(出典:妾の半生涯(1904)〈福田英子〉一二)
    2. 「春を告げるクロッカスの蕾が」(出典:夜と霧の隅で(1960)〈北杜夫〉九)

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