物言う(読み)モノイウ

デジタル大辞泉 「物言う」の意味・読み・例文・類語

もの‐い・う〔‐いふ〕【物言う】

[動ワ五(ハ四)]
言葉を口に出す。話す。「―・うのさえおっくうだ」
よい結果を生むのに効果がある。「金が―・う世の中」
気のきいたことを言う。
「この言葉何とにはなけれども、―・ふやうにぞ聞こえたる」〈土佐
男女がねんごろになる。
「昔、―・ひける女に」〈伊勢・三二〉
[類語]話す語るしゃべる口を利く伝える告げる言う述べる物語る打ち明ける明かす説明する述懐する告白する口外こうがいする他言たごんする言い出す発言する口に出す口にする吐く漏らす口走る抜かすほざくうそぶくしゃべくる言い掛ける言い始める言い話し込む話しかける口に上る口の端に掛かる口を開く口を切るおっしゃる仰せられるのたま申し上げる申し述べる申す言上ごんじょうする

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精選版 日本国語大辞典 「物言う」の意味・読み・例文・類語

もの‐い・う‥いふ【物言】

  1. 〘 連語 〙
  2. ことばを口に出す。
    1. (イ) 何か物事を言う。話をする。口をきく。
      1. [初出の実例]「ありきぬのさゑさゑしづみ家の妹に毛乃伊波(モノイハ)ず来にて思ひ苦しも」(出典万葉集(8C後)一四・三四八一)
    2. (ロ) ことばをかわして親しくする。男女が情をかよわせる。ねんごろにする。
      1. [初出の実例]「むかし物いひける女に年ごろありて」(出典:伊勢物語(10C前)三二)
    3. (ハ) 気のきいたことばを言う。秀句を言う。
      1. [初出の実例]「このことば何とにはなけれども、ものいふやうにぞきこえたる」(出典:土左日記(935頃)承平五年一月二一日)
    4. (ニ) うるさく文句を言う。不平を言う。小言を言う。
      1. [初出の実例]「散らすなと風に物いふ花もがな〈良阿〉」(出典:菟玖波集(1356)発句)
    5. (ホ) 挨拶(あいさつ)をする。声をかける。
      1. [初出の実例]「そのかみ、ものいはで奥に這ひ入りて隠れ立ちて見れば」(出典:平中物語(965頃)三四)
  3. よい結果が現われる。役立つ。
    1. [初出の実例]「酒機嫌草そものいふけふの菊〈言水〉」(出典:俳諧・坂東太郎(1679)下)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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