打明ける(読み)ウチアケル

デジタル大辞泉 「打明ける」の意味・読み・例文・類語

うち‐あ・ける【打(ち)明ける】

[動カ下一][文]うちあ・く[カ下二]
人に知られたくない事実や秘密などを、思い切って隠さずに話す。うちあかす。「思いのたけを―・ける」
閉まっているものを勢いよくあける。「窓を―・ける」
ひっくり返して中に入っている物を出し、空にする。
「人の欲しがる物はこれぞ、と巾着にあるほど―・けて」〈浮・一代男・五〉
すっかり空になる。さびれる。
「さて石山繁昌、京大坂が―・ける」〈浄・卯月の潤色
[類語]話す語るしゃべる物言う口を利く伝える告げる言う述べる物語る明かす説明する述懐する告白する口外こうがいする他言たごんする言い出す発言する口に出す口にする吐く漏らす口走る抜かすほざくうそぶくしゃべくる言い掛ける言い始める言い話し込む話しかける口に上る口の端に掛かる口を開く口を切るおっしゃる仰せられるのたま申し上げる申し述べる申す言上ごんじょうする白状自白自供懺悔口を割る泥を吐く

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精選版 日本国語大辞典 「打明ける」の意味・読み・例文・類語

うち‐あ・ける【打明・打開】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]うちあ・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙 ( 「うち」は接頭語 )
    1. 閉じてあるものを開く。あける。
      1. [初出の実例]「人の倉をうちあけて」(出典:平家物語(13C前)八)
    2. 中のものを出して空にする。容器にはいっているもの、または持っているものを全部出す。
      1. [初出の実例]「水をうちあくるまねする」(出典:虎明本狂言・煎物(室町末‐近世初))
    3. 家を留守にして外出する。
      1. [初出の実例]「市の側(かは)から打ちあけて、参る程にける程に」(出典:浄瑠璃・心中二つ腹帯(1722)三)
    4. 心のうちなどを包み隠さないで話す。隠すところなくすっかり語る。
      1. [初出の実例]「打明けたる女の底に俄に隔てを入れらるる事、縁の切れ時か」(出典:浮世草子・好色敗毒散(1703)五)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 カ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]うちあ・く 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙 ( 「うち」は接頭語 )
    1. ( 中のものがすっかりなくなる意から ) ずっと寂しくなる。衰える。
      1. [初出の実例]「さて石山のはんじゃう京大坂がうちあける」(出典:浄瑠璃・卯月の潤色(1707頃)中)
    2. (夜が)明ける。
      1. [初出の実例]「入月に夜はほんのりと打明て〈利牛〉 塀の外まで桐のひろがる〈桃隣〉」(出典:俳諧・炭俵(1694)下)

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