精選版 日本国語大辞典「口を切る」の解説
くち【口】 を 切(き)る
① まだ開いていない樽(たる)やビン、箱などのふたやせんをあける。
② 言ってはならないことを言ってしまう。
※洒落本・通人枕言葉(1781)幾よし屋の坐舗「わきの内から手を廻して聞けば、爰の内に出て居ると、見番で口をきった」
③ 話をしはじめる。多くの人たちの中で最初に発言する。
④ 遊女などと前もって約束しておくことを、江戸深川の遊里でいう。
※洒落本・愚人贅漢居続借金(1783)「やくしゃをはじめから口をかけるとがんづくから、廻しにみんな、口をきらせておゐて」
※浄瑠璃・鑓の権三重帷子(1717)上「権三が馬は逸物の口を切て角を入れ」
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