(読み)ヘイ

デジタル大辞泉 「弊」の意味・読み・例文・類語

へい【弊】

よくない習慣。害。「長年を改める」
つかれ。疲弊。「相手に乗じる」
[類語]旧弊弊害宿弊通弊語弊積弊流弊古い時代遅れ流行遅れ古風こふう昔風むかしふう旧式陳腐前近代的旧態依然中古オールドファッション昔ながら古式時代錯誤アナクロアナクロニズム固陋ころう頑愚頑迷気質かたぎ時弊余弊

へい【弊】[漢字項目]

常用漢字] [音]ヘイ(漢) [訓]ついえる
物が破れてぼろぼろになる。ついえる。「弊衣弊履
からだがぐったりとなる。「疲弊
たるんで生じた害。「弊害弊風悪弊旧弊語弊時弊宿弊積弊通弊病弊
自分に関することに添えて謙遜を示す語。「弊屋弊誌弊社弊店
[補説]1は「へい」と通用する。

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精選版 日本国語大辞典 「弊」の意味・読み・例文・類語

へい【弊】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 悪いこと。まちがっていること。欠点。弊害。
    1. [初出の実例]「耳を信じて目を疑ふは、俗(しょく)の常のへい也」(出典平家物語(13C前)三)
    2. [その他の文献]〔周礼‐夏官・司弓矢〕
  3. 疲れ、おとろえること。疲弊。〔戦国策‐斉策・威王
  4. ( おおいつつむの意 ) 仏語。誤った心をおこすこと。また、六波羅蜜の行を邪魔する煩悩とも、怠惰なこととも解される。
    1. [初出の実例]「『憍慢弊懈怠難以信此法』とて、憍慢と弊と懈怠とはもてこの法を信ずることかたしとみへたれば」(出典:改邪鈔(1337頃))
    2. [その他の文献]〔無量寿経‐下〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「弊」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 15画

(旧字)
15画

(異体字)
16画

[字音] ヘイ
[字訓] たおれる・やぶれる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は敝(へい)。敝は膝(へいしつ)など、礼装用のぬいとりのあるものが、古びて破れることをいう。正字は・斃に作り、〔説文〕字条十上に「頓仆(とんふ)するなり」、〔爾雅、釈言〕に「(たふ)るるなり」とあって、犬が斃死することをいう。〔左伝、僖四年〕「犬に與ふ、犬斃る。小臣に與ふ、小臣も亦た斃る」とあり、犬が毒物によって斃死することをいい、人にもいう。毒物を犬に与えて験することがあったのであろう。漢碑にはの字を用いている。

[訓義]
1. たおれる、犬がたおれる、たおれて死ぬ、つかれて死ぬ。
2. やぶれる、つきる、やむ、きわまる、たえる。
3. 幣と通じ、きぬ。

[古辞書の訓]
名義抄 ツヒエ・サダム・ヤブル・ツビタリ・ソコナフ・ツブル・タフル・ツタナシ・タツ・アシ・ヤス・ワケタリ 〔字鏡集〕 ツブル・ワワケタリ・タユ・ソコナフ・ヤブル・ツヒエ・サダム・ツタナシ・タフル・タフ・ヤス・アシ/ ヤム・ヤブレタリ・キハマル・ツカル・ツヒニ・オトロフ・カタシ・オホフ・コレ

[語系]
biatは同声。跋buat、蹣buanまた躄piekも声義近く、みな蹣跚(まんさん)としてよろめくような状態、俗に腰のぬけたようなさまをいう。*語彙は敝字条参照。

[熟語]
弊衣・弊帷・弊訛・弊壊・弊鎧・弊害・弊久・弊居・弊御・弊・弊袴・弊梗・弊甲・弊国・弊困・弊策・弊・弊事・弊車・弊習・弊絮・弊牀・弊象・弊制・弊政・弊席・弊俗・弊宅・弊端・弊田・弊蠹・弊竇・弊憊・弊薄・弊仆・弊風・弊弊・弊法・弊袍・弊民・弊邑・弊落・弊乱・弊履・弊廬・弊陋・弊穢
[下接語]
悪弊・遺弊・革弊・奸弊・頑弊・弊・旧弊・朽弊・救弊・窮弊・弊・窘弊・語弊・垢弊・困弊・時弊・醜弊・宿弊・除弊・衰弊・積弊・弊・雕弊・通弊・蠹弊・党弊・鈍弊・破弊・煩弊・疲弊・鄙弊・罷弊・糜弊・文弊・余弊・乱弊・利弊・流弊・弊・労弊

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