デジタル大辞泉
「可能性」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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かのう‐せい【可能性】
- 〘 名詞 〙 ( [英語] possibility の訳語 )
- ① 事柄や事件について、それが起こるか起こらないかが未確定である状態。〔哲学字彙(1881)〕
- [初出の実例]「其れと共に無意味の中に潜んだ重大な意味の可能性は葬られてしまふのである」(出典:田園雑感(1921)〈寺田寅彦〉六)
- ② 物事が実現できる、または、その状態になりうる見込みをもっていること。
- [初出の実例]「縦令(たとひ)倉地が前の態度に出てくれる可能性が九十九あって」(出典:或る女(1919)〈有島武郎〉後)
可能性の語誌
①の「哲学字彙」での訳語が後の辞書に継承されて定着したものと思われる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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可能性
かのうせい
possibility 英語
Möglichkeit ドイツ語
possibilité フランス語
自然科学の法則に逆らうことはおこりえないと考えている人は多い。このときには科学的可能性が問題になっているわけである。しかし科学の理論は変化するので、以前は科学的に不可能と思われていたことで可能になったこともある。たとえば、物質の変化の前後で変化にあずかった物質の質量は不変であると以前は信じられていたが、ごく微量ながら増減があることが可能であるというように、現在では科学のいうところも変わってきている。「科学的に不可能なこともおきることが論理的には可能である」と論ずる人もいるが、その際の「論理的」の意味はかならずしもはっきりしない。可能性の意味は決めておかず、ただ、必然性との対比を公理的に表現し、その公理論の展開を通じて、可能性にまつわる議論を整理しようという目的で展開されているのが様相論理学であるが、これに対して批判的な論理学者もいる。
[吉田夏彦]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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