精選版 日本国語大辞典 「射」の意味・読み・例文・類語
いる【射】
〘他ア上一(ヤ上一)〙
※万葉(8C後)一・六一「ますらをのさつ矢手挟み立ち向ひ射流(いル)的形は見るにさやけし」
※平家(13C前)一一「奥よりこの矢をゐて候が、ゐかへせとまねき候」
② 矢や弾丸を目的物に当てる。
※西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)一〇「箭に中(イ)被(ら)れたるらむが如くして」
※平家(13C前)七「矢だね皆いつくして、馬をもいさせ」
③ 光が強く照らす。
※続浦島子伝記(920)「芙蓉帳開而素月射レ幌」
④ 鋭い視線を当てる。また、物事を強く印象づける。
※うたかたの記(1890)〈森鴎外〉上「この二人のさまの殊なるは、早くわが目を射き」
⑤ ねらって取る。
しゃ【射】
〘名〙
② 弓を射ること。
③ (━する) 銃砲をうつこと。射撃。
※中右記‐大治二年(1127)四月二六日「此十余日右腰下有二堅根一、〈略〉其熱頗大、雖無恐、早以蓮可射之由所申也」
い・る【射】
〘他ラ五(四)〙 (ヤ行上一段から転じて近世後期頃から使われた) =いる(射)〔他ア上一〕
いくい いくひ【射】
※書紀(720)大化三年正月(北野本訓)「春正月の戊子の朔壬寅、朝庭(みかど)に射(イクヒ)(別訓 いくふ)す」
いく・う いくふ【射】
〘他ハ四〙 射る。射かわす。射礼(じゃらい)する。大射する。
※書紀(720)天武四年正月(北野本訓)「壬戌、公卿大夫及び百寮の諸人、初位(うゐかぶり)より以上、西門の庭に射(イクフ)」
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