心行く(読み)ココロユク

デジタル大辞泉 「心行く」の意味・読み・例文・類語

こころ‐ゆ・く【心行く】

[動カ五(四)]思い残すことがないほど十分に満足する。気がすむ。現在では、多くこころゆくばかり」「こころゆくまで」の形で用いられる。
[類語]満足満悦充足飽満自足自得会心・充足感・充実感・自己満足本望満ち足りる堪能たんのうする満喫する安住する・安んずる甘んずる十分十全嬉しい楽しい面白い喜ばしい喜び愉快痛快結構喜悦有頂天納得慊焉けんえん三平思わしい上機嫌ご機嫌おんの字足りる足る舞い上がる満たす気を良くする溜飲りゅういんを下げる言うことなし気に意に適ううきうきうはうはわくわくいそいそぞくぞく

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精選版 日本国語大辞典 「心行く」の意味・読み・例文・類語

こころ‐ゆ・く【心行】

  1. 〘 自動詞 カ行四段活用 〙
  2. 結ぼれていた心がとけて、満足する。念願を達して心が晴れ晴れする。気持がよく、快適である。→こころ(心)行く
    1. [初出の実例]「世の中の物がたり、〈略〉聞きよきほどにかたりたる、いと心ゆく心地す」(出典:枕草子(10C終)三一)
    2. 「澄み渡る秋の空が鏡の如く光るは心行(ココロユ)く眺めである」(出典幻影の盾(1905)〈夏目漱石〉)
  3. 乗り気になる。気に入る。
    1. [初出の実例]「初めより、母御息所は、をさをさ心ゆき給はざりしを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)柏木)

こころ【心】 行(ゆ)

  1. 思う心が相手に届く。
    1. [初出の実例]「天雲の遠隔(そきへ)の極(きはみ)遠けども情志行(こころシゆけ)ば恋ふるものかも」(出典:万葉集(8C後)一・五五三)
  2. ふさいでいた気持が晴れて、満足する。念願を達して心が晴れ晴れする。
    1. [初出の実例]「わが屋前(やど)に 花そ咲きたる そを見れど 情毛不行(こころモゆかず)」(出典:万葉集(8C後)三・四六六)
    2. 「互にこころのゆく程泣きて後、佐殿涙を抑へて」(出典:義経記(室町中か)四)

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