甘んずる(読み)アマンズル

デジタル大辞泉 「甘んずる」の意味・読み・例文・類語

あまん・ずる【甘んずる】

[動サ変][文]あまん・ず[サ変]《「あまみす」の音変化》
与えられたものをそのまま受け入れる。しかたがないと思ってがまんする。「清貧に―・ずる」「―・じて罰を受け入れる」
満足する。たのしむ。
「一たびは坐してまのあたり奇景を―・ず」〈奥の細道
[類語](2安んずる満足満悦充足飽満自足自得会心・充足感・充実感・自己満足本望満ち足りる心行く堪能たんのうする満喫する安住する・十分十全嬉しい楽しい面白い喜ばしい喜び愉快痛快結構喜悦有頂天納得慊焉けんえん三平二満さんぺいじまん思わしい上機嫌ご機嫌おんの字足りる足る舞い上がる満たす気を良くする溜飲を下げる言うことなし気に意に適ううきうきうはうはわくわくいそいそぞくぞく

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精選版 日本国語大辞典 「甘んずる」の意味・読み・例文・類語

あまん‐・ずる【甘】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]あまん・ず 〘 他動詞 サ行変 〙 ( 「あまみする」の変化した語 )
    1. 与えられたものを、満足して、また、しかたがないものとして受ける。
      1. [初出の実例]「我れ此の苦を甘(アマムシ)て、終に菩提の心を捨てじ」(出典:守護国界主陀羅尼経平安中期点(1000頃))
      2. 「一たびは坐して、まのあたり奇景をあまんず」(出典:俳諧・奥の細道(1693‐94頃)跋)
    2. ( 「味わいを甘んずる」の形で ) 食物をよく味わい、おいしく思う。
      1. [初出の実例]「食スルトキハ不(アジワイヲアマンゼズ)漢書〕」(出典:文明本節用集(室町中))
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]あまん・ず 〘 自動詞 サ行変 〙 与えられた状態に満足する。また、しかたがないものとして我慢する。安んずる。
    1. [初出の実例]「甘じて下流の人となる」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一〇)
    2. 「白湯(さゆ)に甘(アマ)んじ」(出典:露団々(1889)〈幸田露伴〉一〇)

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