デジタル大辞泉
「喜び」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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よろこび【喜・悦・歓・慶】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「よろこぶ(喜)」の連用形の名詞化 )
- ① 快く思うこと。心にうれしさを感じること。
- [初出の実例]「精しき誠をもちて感(ヨロコヒ)を致すこと然(しか)ず」(出典:天理本金剛般若経集験記平安初期点(850頃))
- 「かく有りがたき人に対面したるよろこび」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)
- ② よろこぶべきこと。慶賀すべきこと。慶事。
- [初出の実例]「御賀の程、よろこびくはへんとおぼしめして、にはかになさせ給つ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
- ③ 特に、叙位、任官、昇任などの慶事。
- [初出の実例]「中納言『おもはずに、かかるよろこびの侍るをなん』おとど『そがいとうれしきこと』など申し給ふ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)沖つ白浪)
- ④ 出産という慶事。
- [初出の実例]「ヨロコブ、〈略〉コヲ ヨロコブ、または、Yorocobiuo(ヨロコビヲ) スル」(出典:日葡辞書(1603‐04))
- ⑤ 人の慶事に対する祝賀。また、その祝辞。
- [初出の実例]「にはかにかうぶりたまはりければ、よろこびいひつかはすとて、よみてつかはしける」(出典:古今和歌集(905‐914)雑上・八七〇・詞書)
- ⑥ 与えられた慶事や好意などについてのお礼。また、その謝辞。
- [初出の実例]「かしこに物してととのへん、さうずくしてこよ、とていでられぬ。よろこびにありきなどすれば、いとあはれにうれしき心ちす」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
- 「お常をはじめ人々へ、感謝(ヨロコビ)のしるしにとて遣はしつつ」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉四)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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喜び
よろこび
情動のうちで比較的基本となっている体験であり、悲しみと対比される。さまざまな自己あるいは他人の幸福や成功の経験、予期あるいは回顧などに伴う興奮的、快的な情動をいう。これを引き起こす原因によって、その性質はかならずしも一定していない。日常生活で実際にもっとも多く観察され、また単純に説明できる喜びの発生原因は、個々人の欲求とその満足度との関係のうちに求めることができる。われわれは、欲求が充足された場合には肯定的な情動を、充足されない状態、すなわち欲求不満の場合には否定的な情動を体験する。肯定的情動の代表的なものが喜びである。この場合、個人における欲求の種類や強さと、その欲求を阻止している状況の性質とのかかわりで、その欲求が充足されたときの喜びの質や強度は規定されるといえる。たとえば、大学進学を強く望んでいる高校生で、受験した大学が難関であればあるほど、その入学試験に合格したときの喜びは大きいであろう。また、その喜びは、恋人からデートに誘われたときのそれとは相違したものでもある。
現在は欲求が充足されておらずに不快な情動体験が多い場合でも、将来はかならず充足されるという予期を比較的明確に抱いていたり、過去における快的な体験を回想したりすることによって、喜びを体験することもある。たとえ現在は不幸な境遇にあっても、生きる喜びを味わうことが人間にはできる。
[花沢成一]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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喜び
よろこび
joy
情動の一形式で,一般には悲しみと対照的な状態を表わす用語として用いられる。高度の快状態に関与した意識体験で,通常満足したことを表わす表情の表出や動作の発現を伴う。 (→快・不快 )
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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