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日本遺産 にっぽんいさんJapan Heritage

知恵蔵miniの解説

日本遺産

地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーを認定し、国内外への魅力発信や地域活性化を図る日本の事業。タイプとしては、単一の市町村内でストーリーが完結する「地域型」と、複数の市町村にストーリーが展開する「ネットワーク型」の二つがある。文化庁は2015年4月24日、40都府県から寄せられた83件の提案から、「近世日本の教育遺産群」(茨木・栃木岡山・大分の4県)や「日本茶800年の歴史散歩」(京都府)、「琵琶湖とその水辺景観」(滋賀県)など、24府県の18件を第1回の日本遺産に選定したことを発表した。文化庁では、2020年までに日本遺産を100件程度にまで増やす予定としている。

(2015-4-28)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

日本遺産

文化庁が2015年度に創設。有形・無形の文化財により、地域の歴史や文化の特色をわかりやすく表現した「ストーリー」を認定する。海外への魅力発信や地域活性化を図るのが目的。「四国遍路」(四国4県)と「旧尾道市街地」(尾道市)は15年度に、「村上海賊」(今治市、尾道市)は16年度に、それぞれ認定された。

(2017-08-02 朝日新聞 朝刊 大特集S)

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デジタル大辞泉の解説

にほん‐いさん〔‐ヰサン〕【日本遺産】

日本の歴史的・文化的な一連の物語性をもつ文化財群として、文化庁が認定するもの。平成27年(2015)4月に「近世日本の教育遺産群―学ぶ心・礼節本源―(茨城・栃木・岡山・大分)」「日本茶800年の歴史散歩(京都)」「尾道水道が紡いだ中世からの箱庭的都市(広島)」など18件が初の認定を受けた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

日本遺産
にほんいさん
Japan Heritage

地域の歴史的魅力や特色を通じ,日本の文化および伝統を語る「ストーリー」を認定する文化庁による事業。日本遺産として国内のみならず海外にも戦略的に発信することで,地域の活性化をはかることを目的とする。個々の遺産を「点」として指定・保存してきた従来の文化財行政とは異なり,点在する地域の遺産である有形・無形の文化財を「面」として活用し発信することによる地域のブランド化の促進をねらいとする。認定するストーリーには,単一の市町村内で完結する地域型と,複数の市町村にまたがって展開するシリアル型(ネットワーク型)がある。認定されると,文化芸術振興費補助金の交付による情報発信,人材育成,普及啓発,公開活用のための整備などに対する支援が受けられる。2015年,「加賀前田家ゆかりの町民文化が花咲くまち高岡―人,技,心―(富山県高岡市。→金沢藩)」,「近世日本の教育遺産群―学ぶ心・礼節の本源―(茨城県水戸市,栃木県足利市,岡山県備前市,大分県日田市。→弘道館足利学校閑谷学校咸宜園)」,「日本茶800年の歴史散歩(京都府宇治市城陽市八幡市京田辺市木津川市宇治田原町和束町南山城村。→宇治茶)」など計 18件のストーリーが初めて認定された。年に 1回公募する。(→文化財

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

日本遺産
にほんいさん

各自治体から申請された歴史的経緯や地域の風土に根ざした伝承や風習を踏まえた「ストーリー」を、文化庁が認定する遺産。2015年(平成27)4月、18件が初めて認定された。
 「ストーリー」が地域の歴史的特徴・特色を示す興味深さ・斬新(ざんしん)さなどを有し、日本の魅力を十分に伝える内容になっていること、地域づくりの将来像とその実現に向けた具体的な方策が示されていること、日本遺産を通じた地域活性化の推進が可能となる体制が整備されていることが認定の基準とされている。認定されると多言語によるホームページの作成やガイド育成などの事業費が国から補助される。なお「ストーリー」には単一の市町村内で完結する「地域型」と、複数の市町村にまたがって展開する「シリアル型」がある。
 「物語性」を重視したため、地域に受け継がれている有形・無形のあらゆる文化財が対象となったことや地方指定あるいは未指定の文化財も含めることができるなど、日本のこれまでの文化財の考え方を大きく広げるものとなっている。個々の遺産を「点」として指定・保存する従来の文化財行政のあり方から、点在する遺産を「面」として活用・発信するあり方にシフトしたものといえる。また、文化の保護よりは、地域の活性化と、海外に向けた魅力発信といったことが目的とされている点も、これまでの文化財行政から大きく舵(かじ)を切った点である。
 日本遺産に認定されることがユネスコの世界遺産へのステップになるわけではないが、第1回認定の18件のなかには、水戸市の「弘道館(こうどうかん)」や栃木県足利(あしかが)市の「足利学校」などを含む「近世日本の教育遺産群―学ぶ心・礼節の本源―」や「四国遍路(へんろ)~回遊型巡礼路と独自の巡礼文化~」など、2007年に文化庁が世界遺産の候補物件を各自治体から公募した際に見送りとなったものの、その後も世界遺産登録を目ざしている物件が一定数含まれており、世界遺産の補完的な意味合い、あるいは「予備軍」としての位置づけもかいまみえる。
 東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに、100件程度を認定する方針となっている。[佐滝剛弘]

資料 日本遺産一覧

文化庁資料をもとに作成
近世日本の教育遺産群―学ぶ心・礼節の本源―
〔申請自治体〕茨城県水戸市、栃木県足利市、岡山県備前(びぜん)市、大分県日田(ひた)
〔分類〕シリアル型
かかあ天下―ぐんまの絹物語―
〔申請自治体〕群馬県桐生(きりゅう)市、甘楽(かんら)町、中之条(なかのじょう)町、片品(かたしな)
〔分類〕シリアル型
加賀(かが)前田家ゆかりの町民文化が花咲くまち高岡(たかおか)―人、技、心―
〔申請自治体〕富山県高岡市
〔分類〕地域型
(あか)り舞う半島 能登(のと)~熱狂のキリコ祭り~
〔申請自治体〕石川県七尾(ななお)市、輪島(わじま)市、珠洲(すず)市、志賀(しか)町、穴水(あなみず)町、能登町
〔分類〕シリアル型
海と都をつなぐ若狭(わかさ)の往来文化遺産群~御食国(みけつくに)若狭と鯖(さば)街道~
〔申請自治体〕福井県小浜(おばま)市、若狭町
〔分類〕シリアル型
「信長公のおもてなし」が息づく戦国城下町・岐阜
〔申請自治体〕岐阜市
〔分類〕地域型
祈る皇女斎王(さいおう)のみやこ 斎宮(さいくう)
〔申請自治体〕三重県明和(めいわ)
〔分類〕地域型
琵琶(びわ)湖とその水辺景観―祈りと暮らしの水遺産
〔申請自治体〕滋賀県大津(おおつ)市、彦根(ひこね)市、近江八幡(おうみはちまん)市、高島(たかしま)市、東近江市、米原(まいばら)
〔分類〕シリアル型
日本茶800年の歴史散歩
〔申請自治体〕京都府宇治(うじ)市、城陽(じょうよう)市、八幡(やわた)市、京田辺(きょうたなべ)市、木津川(きづがわ)市、宇治田原(たわら)町、和束(わづか)町、南山城(みなみやましろ)
〔分類〕シリアル型
丹波篠山(たんばささやま) デカンショ節―民謡に乗せて歌い継ぐふるさとの記憶
〔申請自治体〕兵庫県篠山市
〔分類〕地域型
日本国創成のとき~飛鳥(あすか)を翔(かけ)た女性たち~
〔申請自治体〕奈良県明日香(あすか)村、橿原(かしはら)市、高取(たかとり)
〔分類〕シリアル型
六根清浄(ろっこんしょうじょう)と六感治癒の地~日本一危ない国宝鑑賞と世界屈指のラドン泉~
〔申請自治体〕鳥取県三朝(みささ)
〔分類〕地域型
津和野(つわの)今昔~百景図を歩く~
〔申請自治体〕島根県津和野町
〔分類〕地域型
尾道(おのみち)水道が紡いだ中世からの箱庭的都市
〔申請自治体〕広島県尾道市
〔分類〕地域型
「四国遍路」~回遊型巡礼路と独自の巡礼文化~
〔申請自治体〕愛媛県、高知県、徳島県、香川県各県内57市町村
〔分類〕シリアル型
古代日本の「西の都」~東アジアとの交流拠点~
〔申請自治体〕福岡県太宰府(だざいふ)
〔分類〕地域型
国境の島 壱岐(いき)・対馬(つしま)~古代からの架け橋~
〔申請自治体〕長崎県対馬市、壱岐市、五島(ごとう)市、新上(しんかみ)五島町
〔分類〕シリアル型
相良(さがら)700年が生んだ保守と進取の文化~日本でもっとも豊かな隠れ里―人吉球磨(ひとよしくま)
〔申請自治体〕熊本県人吉市、錦(にしき)町、あさぎり町、多良木(たらぎ)町、湯前(ゆのまえ)町、水上(みずかみ)村、相良村、五木(いつき)村、山江(やまえ)村、球磨村
〔分類〕シリアル型

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