( 1 )上代には「しまし」「しまらく」があり、その「しまし」が中古以降転じて「しばし」となった。ほぼ同時に「しまらく」から転じた「しばらく」も併用されるが、和歌や女流文学などの和文にはもっぱら「しばし」が用いられ、漢文訓読体では「しばらく」が用いられた。
( 2 )中世以降になると「しばし」は雅語としては残るが、口語としては衰えて、「しばらく」が専用されるようになる。なお、中古以降、類義語「とばかり」ももっぱら和文で用いられた。
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