間髪を容れず(読み)カンハツヲイレズ

デジタル大辞泉 「間髪を容れず」の意味・読み・例文・類語

かんはつれず

《「説苑ぜいえん正諫から。あいだに髪の毛1本も入れる余地がない意》少し時間も置かないさま。「質問間髪を容れず答えた」
[補説]「間、髪を容れず」と区切る。「かんぱつを、いれず」「かんぱつ、いれず」は誤り。
[類語]即刻即時時を移さず即座即席即製同時言下直後直ちに早速すぐすぐさまとっさに俄か折り返しすかさず立ちどころにたちまち途端右から左瞬く間あっという間リアルタイム短いしばらしば暫時少時ひとしきり束の間時の間見る間に刹那一時いっとき一時ひととき半時寸陰短時間一時一時的かりそめ短日月短時日一朝一朝一夕寸刻寸時寸秒片時かたとき瞬時瞬間一瞬数刻たまゆら須臾しゅゆ電光石火はかない

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

故事成語を知る辞典 「間髪を容れず」の解説

間髪を容れず

事態が非常に切迫していることのたとえ。また、少しの時間も置かないことのたとえ。

[使用例] 私は力尽きていた。しかもなお心の発条バネのようなものが残っていて、それが間髪を容れず、もっともらしい答を私に言わせた[三島由紀夫仮面告白|1949]

[由来] 「文選」に載せる、ばいじょうという文人文章一節。紀元前二世紀、前漢王朝の時代。枚乗は、呉という国の王が反乱を起こそうとしていると知り、思いとどまるように説得する文章を書いて差し出しました。その中で、このまま危険な目にあうか、それとも危険から逃れられるかは、「間、髪を容れず(間に髪の毛一本が入る余地さえないくらいの違いしかない)」だから、今すぐに挙兵を思いとどまるべきだ、と述べています。

異形〕間に髪を容れず。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

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