暫く(読み)シバラク

デジタル大辞泉 「暫く」の意味・読み・例文・類語

しばら‐く【暫く/×姑く/須臾】

[副](スル)《「しまらく」の音変化》
すぐではないが、あまり時間がかからないさま。少しの間。しばし。「―お待ちください」「―して主人が現れた」
時間的にある程度長く続くさま。当分。「好天は―続くだろう」「―は当地に滞在する」
一時的であるさま。仮に。「その件は―おくとして」
「―衣裳にたきものすと知りながら」〈徒然・八〉
[類語](1しば少しちょっとやや少しく少少ちょいとちとちっとちょっぴりいささかいくらかいくぶん心持ち気持ち多少若干二三少数少量僅僅わずか数えるほどたったただたかだかなけなし一時いっとき一頻ひとしき暫時ざんじ少時しょうじ寸時須臾しゅゆ束の間時の間瞬く間見る間に刹那咄嗟とっさ一時ひととき半時寸陰短時間一時一時的かりそめ短日月短時日一朝一朝一夕寸刻寸秒片時かたとき瞬時瞬間一瞬数刻たまゆら電光石火はかないあっと言う間間髪をれず/(3当分当面当座差し当たり差し向きひとまずさしずめとりあえずまずもって

しまら‐く【暫く】

[副]しばらく」の古形
「―は寝つつもあらむを」〈・三四七一〉

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精選版 日本国語大辞典 「暫く」の意味・読み・例文・類語

しまら‐く【暫く】

  1. 〘 副詞 〙 ( 「しばらく」の古形。「く」は副詞語尾 ) =しばらく(暫━)[ 一 ]
    1. [初出の実例]「思麻良久(シマラク)は寝つつもあらむを夢のみにもとな見えつつ吾(あ)をねし泣くる」(出典万葉集(8C後)一四・三四七一)
    2. 「暫爾(シマラク)の身、詎(たれ)か眉(なが)く存(ながら)へむ〈真福寺本訓釈 暫爾 シ万良久乃〉」(出典:日本霊異記(810‐824)下)

暫くの語誌

奈良時代には「しまし」と併用されていたが、平安時代以降、マ行バ行の子音交替によって、訓点資料で「しばらく」が優勢となり、「しまらく」は用いられなくなった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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