デジタル大辞泉
「料」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
りょう レウ【料】
〘名〙
[一]
① 器具、
衣服、飲食物など、何かの用にあてる物。ある
物事に使用する物。
※延喜式(927)一「食薦六枚輦籠一口〈已上祭料〉庸布二段、〈略〉輦籠一脚〈已上祓料〉」
② ある物を作るための材料。資料。
※延喜式(927)一「祝詞当色袍一領料。紺絁三丈七尺。裏料緑帛三丈五尺」
③ ある物事のもとになるもの。根拠となるもの。
※宇津保(970‐999頃)楼上上「女御殿の宮ばらの
大将のめでたき
さいはひのれうなりけり」
※
源氏(1001‐14頃)
浮舟「そのち
かき寺にも御誦経せさせ給へとて、そのれうのもの、文などかきそへてもてきたり」
⑤ ある用にあてる人。召し使ったり、身近に従えたりするための人。
※源氏(1001‐14頃)乙女「かしづきなどしたしう身にそふべきは、いみじうえりととのへて、その日の夕つけてまゐらせたり、〈略〉捨つべうもあらず、とりどりなる童べのやうだい・
かたちをおぼしわづらひて、いま一ところのれうをこれよりたてまつらばやなど、笑ひ給ふ」
⑥ 何かの
代償とするための
金品。費用。代金。料金。
※宇津保(970‐999頃)楼上上「ないしのかんの殿に、きぬ百疋、あや廿疋、おり物、うすもの、そめ
くさなどはことにたてまつり給、をはりのかみにれうを給ひてせさせ給ふ」
⑦
名詞に
助詞「の」を伴ったものに付いて、そのものに、利益・
恩恵を与えることを表わす。利益。便益。
※枕(10C終)七七「供の随身どもの、さきを忍びやかにみじかう、おのが君たちのれうに追ひたるも、遊びにまじりてつねに似ずをかしう聞ゆ」
※竹取(9C末‐10C初)「なしの用にかあらんと申。答ての給やう、つばくらめのもたる
子安貝をとらんれう也との給」
② いろいろな連体修飾の語を受けて、その
事柄が他の事柄の理由・原因・根拠であることを表わす。わけ。せい。ため。
※今鏡(1170)七「かぜなどのれうにておはしましけるにや、ひが事ぞつねにし給ける」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報