気違・気狂(読み)きちがい

精選版 日本国語大辞典 「気違・気狂」の意味・読み・例文・類語

き‐ちがい ‥ちがひ【気違・気狂】

〘名〙
精神状態が尋常でなくなること。気が狂うこと。常識をひどくはみ出たような言動をとることもいう。また、その人。
※虎寛本狂言・素襖落(室町末‐近世初)「道通りが気違ひじゃといふて笑らひまする」
② (比喩的に) 物事にひどく熱中すること。また、その人。偏執狂マニア。多く、他の語の下に付けて用いられた。
行人(1912‐13)〈夏目漱石〉帰ってから「いくら御亭主が謡気狂(キチガヒ)でも」
蓼喰ふ虫(1928‐29)〈谷崎潤一郎一一淡路にはずゐぶん熱心な人形気違ひが珍らしくなく」

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