(読み)げんずる

精選版 日本国語大辞典「減」の解説

げん‐・ずる【減】

[1] 〘自サ変〙 げん・ず 〘自サ変〙
① 数量がへる。少なくなる。
※大鏡(12C前)六「人の寿は八万歳なり。それがやうやう減しもていきて、百歳になる時、ほとけはいでおはしますなり」
② 程度、度合がへる。
(イ) 一般的に、程度、度合が少なくなる。減少する。
※談義本・根無草(1763‐69)後「我これを慮(おもんぱかり)て男色の淡きを以て、其災を減(ゲン)ぜしむるは」
(ロ) 病状が軽くなる。
※台記‐天養元年(1144)一二月二七日「未始参院、依御風也、自今朝、令減給云々」
(ハ) 技量などの程度が劣る。及ばない。
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一一「学師維爾孫(ウイルソン)は、〈略〉その鎚を投ずる事、詩文の軽快なるに減ぜざりしとなり」
[2] 〘他サ変〙 げん・ず 〘他サ変〙
① 数量をへらす。少なくする。
※令義解(718)賦役「疾病及遇雨不執作之日。減半食
※史記抄(1477)八「てまり衣服食物なんどをも減せらるるぞ、狗馬は猟狗なんとぞ、馬は乗輿の馬の数をも減するぞ」
② 程度、度合をへらす。
(イ) 等級、段階などを低くする。軽くする。
※平家(13C前)二「法家(ほっけ)の勘状にまかせて、死罪一等を減じて遠流せらるべし」
(ロ) 一般的に、程度、度合を少なくする。減少させる。
※史記抄(1477)六「十罪を数へ立て記すれば羽が威光を減するほどに」
③ 引き算をする。数を引く。減算する。
※舶用機械学独案内(1881)〈馬場新八・吉田貞一〉前「与へられたる度より三十二度を減(ゲン)じ、其差に四を乗じ」

げん・じる【減】

(動詞「げんずる(減)」の上一段化した語)
[1] 〘自ザ上一〙
① =げんずる(減)(一)①
※開化自慢(1874)〈山口又市郎〉初「只今の町人、ひとづかひまでも(ゲン)じる程で、いかに約定なればとて、大さうな目論見」
② =げんずる(減)(一)②
※嚼氷冷語(1899)〈内田魯庵〉「之が為に濫訳の憂は(ゲン)じるだらうが」
[2] 〘他ザ上一〙
① =げんずる(減)(二)①
※滑稽本・七偏人(1857‐63)四「百筋といふ行燈を、その座の人数だけに減(ゲン)じるのだ」
② =げんずる(減)(二)②
※近代文学の運命(1947)〈中野好夫〉「潜在意識なるものは〈略〉少しもその強度を減じることなく、意識下に温存されるというのである」
③ =げんずる(減)(二)③

げん【減】

〘名〙
① へること。へらすこと。軽減すること。軽くなること。減少。⇔増(ぞう)
※台記‐天養二年(1145)閏一〇月一三日「中納言消息云、左大臣疾愈、右大将疾得減」 〔淮南子‐精神訓〕
② ひきざん。減法。「加・減・乗・除」
③ 罪を軽くすること。減刑すること。種々の場合があり、六議者が罪一等を減じられるのを議減、応請者(おうせいしゃ)の減刑を請減と称し、この二者は通例のことであったので例減という。この他に従坐減、自首減、故失減などがあった。
※律(718)名例「凡一人兼有議請減、各応減者、唯得一高者之」
④ 中国で、名の一部をすこと。「喜公」を「喜」とする類。

へし【減】

〘名〙 (動詞「へす(減)」の連用形の名詞化)
① 量などを少なくすること。へらすこと。
鍛造工具の一種。赤熱した鋼材に当て、上から鉄鎚で打ち、平面、端面、側面、の周囲、などを均斉にするために用いる。形状により、当てへし・丸へし・角へし・又へし・足へし・へし・平へしなどの種類がある。

へら・す【減】

〘他サ五(四)〙
① すでにあるものを少なくする。減じる。へす。
※四河入海(17C前)一四「よい飯を肉で食て腹のふくれたるをへらさうとて飲ぞ」
② 人をへこませる。けなす。
※日葡辞書(1603‐04)「ヒトヲ ferasu(ヘラス)〈訳〉人をけなす」

へ・す【減】

〘他サ五(四)〙 減らす。少なくする。
※霊異記(810‐824)下「斎食の時毎に、飯を拆(ヘシテ)烏に施し〈真福寺本訓釈 拆 部之天 又云和加知天〉」

げん‐・ず【減】

〘自他サ変〙 ⇒げんずる(減)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉「減」の解説

げん【減】

減ること。減らすこと。「前月比10パーセントの」⇔増(ぞう)
律令制刑法で、罪を軽くすること。減刑すること。

げん【減】[漢字項目]

[音]ゲン(慣) [訓]へる へらす
学習漢字]5年
へる。へらす。「減給減産減少減税減退減配軽減激減削減節減漸減増減半減
引き算。「減法加減乗除
[名のり]き・つぎ
[難読]減上(めりかり)減張(めりはり)

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