(読み)ゲン

デジタル大辞泉 「減」の意味・読み・例文・類語

げん【減】[漢字項目]

[音]ゲン(慣) [訓]へる へらす
学習漢字]5年
へる。へらす。「減給減産減少減税減退減配軽減激減削減節減漸減増減半減
引き算。「減法加減乗除
[名のり]き・つぎ
[難読]減上めりかり減張めりはり

げん【減】

減ること。減らすこと。「前月比10パーセントの」⇔ぞう
律令制刑法で、罪を軽くすること。減刑すること。
[類語]減損消耗損耗

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「減」の意味・読み・例文・類語

げん【減】

  1. 〘 名詞 〙
  2. へること。へらすこと。軽減すること。軽くなること。減少。⇔増(ぞう)
    1. [初出の実例]「中納言消息云、左大臣疾愈、右大将疾得減」(出典:台記‐天養二年(1145)閏一〇月一三日)
    2. [その他の文献]〔淮南子‐精神訓〕
  3. ひきざん。減法。「加・減・乗・除」
  4. 罪を軽くすること。減刑すること。種々の場合があり、六議者が罪一等を減じられるのを議減、応請者(おうせいしゃ)の減刑を請減と称し、この二者は通例のことであったので例減という。この他に従坐減、自首減、故失減などがあった。
    1. [初出の実例]「凡一人兼有議請減、各応減者、唯得一高者之」(出典:律(718)名例)
  5. 中国で、名の一部を略すこと。「喜公」を「喜」とする類。

へし【減】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「へす(減)」の連用形名詞化 )
  2. 量などを少なくすること。へらすこと。
  3. 鍛造工具一種。赤熱した鋼材に当て、上から鉄鎚で打ち、平面、端面、側面、孔の周囲、隅などを均斉にするために用いる。形状により、当てへし・丸へし・角へし・又へし・足へし・鋲へし・平へしなどの種類がある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「減」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

[字音] ゲン・カン
[字訓] へる・はぶく

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は咸(かん)。〔説文〕十一上に「損なり」とあって、減損・減少の意とする。咸は、戉(えつ)(鉞(まさかり))を祝詞を収める器((さい))に加えて緘封し、その呪能を守る意。これに水を加えるのは、その呪能を減損する行為とされたのであろう。祝詞を収めた器に上から水を加えるのは沓(とう)で、踏覆の意。また血盟の器に水を加え罵るのは盜(盗)で、盟誓に離する者をいう。金文の〔者減鐘(しやげんしよう)〕の減の字に、下部に皿をそえる形のものがあり、減も沓・盜と同じような呪的行為をいう字と考えられる。

[訓義]
1. へる、へらす、効果を少なくする、おとる。
2. そこなう、なくする、下げる。
3. はぶく、軽くする、数をへらす。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕減 ヲトス・ヲトル 〔字鏡集〕減 ヲトル

[熟語]
減員減価減毀減却・減去・減刑・減軽減竭・減降減耗減剋・減殺・減罪・減削減算・減縮・減章・減少減贖減衰・減数・減省・減税・減折・減膳・減租・減竈・減・減損・減汰・減退・減黜・減撤・減等・減薄・減半・減筆・減平・減法・減俸・減免・減約・減廩・減禄
[下接語]
加減・割減・急減・軽減・激減・減・耗減・削減・漸減・縮減・省減・衰減・節減・増減・低減・逓減・頓減・半減・累減

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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