無闇(読み)ムヤミ

デジタル大辞泉 「無闇」の意味・読み・例文・類語

むやみ【無闇/無暗】

[名・形動]
結果や是非を考えないで、いちずに物事をすること。また、そのさま。「―な約束はしない方がよい」
「なぜそんな―をした」〈漱石坊っちゃん
物事の状態が度を超えて甚だしいさま。ひどい。「―に金がかかる」
「―な大わらんじの片足を」〈柳田・山の人生〉
[補説]「無闇」「無暗」は当て字
[用法]むやみ・やたら――「夜はむやみに(やたらに)出歩かないほうがいい」「むやみな(やたらな)ことは言えない」「説明がむやみに(やたらに)長い」など、度が過ぎるようすの意では相通じて用いられる。◇「むやみ」は、善悪やあとさきを考えないで事を行う点に重点がある。「むやみに酒を勧めてはいけない」「むやみに進学しても意味はない」◇「やたら」は、理由やけじめもなく繰り返すようすをいう。「やたらに文句を言う」「やたらぺこぺこ頭を下げる候補者」◇類似の語に「無性に」があり、感情欲求などが強くわき起こるようすに多く使われる。「最近、無性に故郷が恋しくなることがある」「汚職報道に無性に腹が立つ」
[類語]やたらみだり無性にむやみやたら余りめったやたらめったやみくも無下に後先なし無謀無鉄砲めくら滅法盲目的後先見ず向こう見ず命知らず破れかぶれやけ自暴自棄ふてくされるやけくそやけっぱち自棄捨て鉢八方破れ無軌道放埒ほうらつ放縦放逸奔放野放図勝手次第好き勝手ほしいまま切実切切痛切つくづくつらつらひしひししみじみこころからしんから心が動くこよなくぞっこんじいん度外れめっぽう途方もない途轍もない桁違い過度すごくひどいはなはだこの上ないとても特別ことさらひたすら

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精選版 日本国語大辞典 「無闇」の意味・読み・例文・類語

むやみ【無闇・無暗】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) ( 「無闇」「無暗」はあて字 )
  2. 前後を考えないこと。理非を分別しないこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「あんまりてへばむやみな仕方だ」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三)
  3. 度を超すこと。また、そのさま。むやく。
    1. [初出の実例]「何の訳もわからず、漫(ムヤミ)西洋人を褒る人抔が多いのに」(出典:交易問答(1869)〈加藤弘之〉下)

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