篠山(兵庫県の旧町名)(読み)ささやま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「篠山(兵庫県の旧町名)」の意味・わかりやすい解説

篠山(兵庫県の旧町名)
ささやま

兵庫県東部、多紀郡(たきぐん)にあった旧町名(篠山町(ちょう))。現在は丹波篠山(たんばささやま)市の南東部を占める一地区。1955年(昭和30)篠山町(1889年町制)と八上(やかみ)、畑、城北(じょうほく)、岡野の4村が合併、1975年城東(じょうとう)、多紀の2町と合併。1999年(平成11)今田(こんだ)、丹南(たんなん)、西紀(にしき)の3町と合併して市制施行、篠山市(2019年5月丹波篠山市に改称)となる。国道173号、372号が通じる。東西に細長い篠山盆地にあり、かつての湖底である。京街道が横断し、東の旧宿場町福住(ふくすみ)とともに交通の要地であった。1609年(慶長14)に幕府の命で築城した篠山城が完成してから、松井松平、藤井松平、形原(かたのはら)松平の各氏から青山氏と続く6万石の城下町として繁栄した。

 明治以後は、歩兵第七〇連隊の置かれた軍都として知られたが、鉄道を避けたので、城下町らしい武家屋敷や妻入(つまいり)商家の町並みがいまに残っている(重要伝統的建造物群保存地区)。米作中心で、黒大豆、クリなどを特産する。冬は酒造出稼ぎ(丹波杜氏(たんばとうじ))が多かったが、第二次世界大戦後は酒造のほか食品薬品プラスチックなどの近代工場も進出した。国史跡篠山城跡、国天然記念物に根の周囲約8メートルの日置(ひおき)のハダカガヤがある。丹波古陶館、歴史美術館があり、民謡デカンショ節』にちなむデカンショ祭が8月にある。

大槻 守]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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