螺線(読み)ラセン

デジタル大辞泉 「螺線」の意味・読み・例文・類語

ら‐せん【×螺線】

カタツムリを上から見たときの殻の曲線のように、一定点の回りを、その定点に対して、絶えず遠ざかる点または近づく点によって作り出される平面曲線スパイラル匝線そうせん渦巻線
円筒に巻きつけたつるのように、一定の歩みで回り進む空間曲線ヘリックス弦巻つるまき線。
[類語]ラインすじ線条直線曲線実線破線点線波線斜線アンダーライン傍線折れ線垂線鉛直線接線水平線平行線対角線双曲線放物線母線割線中線中心線

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精選版 日本国語大辞典 「螺線」の意味・読み・例文・類語

ら‐せん【螺線】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一点の周囲をうずのようにぐるぐる回る平面曲線。渦巻線。また、円筒の周囲につるのように巻きつく空間曲線。蔓巻線
    1. [初出の実例]「線及び度の図 直線 曲線 波線 折線 螺線 渦線」(出典:小学教授書(1873)〈文部省〉)
  3. 螺子(ねじ)コイルばねなど、螺旋をその形状の一部としているものの俗称。螺旋。
    1. [初出の実例]「螺線(ラセン)(〈注〉ネヂ)の如き連環紋有るに因り」(出典:造化妙々奇談(1879‐80)〈宮崎柳条〉八)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「螺線」の意味・わかりやすい解説

螺線
らせん
spiral
helix

渦巻き状の平面曲線(渦巻線)、およびつるまき状の空間曲線(つるまき線)を総称して螺線という。螺旋とも書く。平面上の螺線の多くは極座標(r,θ)に関してr=f(θ)(fは単調関数)の形で表示される。アルキメデスの螺線はr=aθで与えられ、この螺線と二直線
  θ=θ1,θ=θ2 (θ1<θ2
とで囲まれる面積が(1/6)a2(θ23-θ13)であることがアルキメデスによって発見された。ベルヌーイの螺線(対数螺線または等角螺線ともいわれる)はr=keで与えられ、この螺線の接線と原点と接点を通る直線とのなす角は一定である。また、この螺線の伸開線、縮閉線はともにこの螺線と合同である。rθ=aという方程式をもつのは双曲螺線、r2θ=a2という方程式をもつのはリチュウスlituusとよばれる。直円柱面の母線を一定の角で切る曲線を常螺線という。常螺線は曲率、捩率(れいりつ)ともに定数である。また、直円錐(えんすい)面の母線を一定の角で切る曲線を円錐螺線という。

[荻上紘一]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「螺線」の意味・わかりやすい解説

螺線
らせん

弦巻線」のページをご覧ください。

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