(読み)ギ

デジタル大辞泉 「議」の意味・読み・例文・類語

ぎ【議】[漢字項目]

[音](呉)(漢) [訓]はか
学習漢字]4年
意見を出して話し合う。「議案議会議決議題議論会議協議衆議審議詮議討議評議謀議論議和議
あれこれ批評する。「抗議誹議ひぎ物議
意見。議案。「異議建議提議動議発議
おもいはかる。「不可思議
「議員」の略。「市議都議
[名のり]かた・のり

ぎ【議】

話し合い。相談。「委員会を経る」
意見。考え。提案
古代、特別の身分ある者に対して、が規定した特典皇室親族や特に才徳にすぐれた者、三位以上の者などの刑法上の罪を減じた。

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精選版 日本国語大辞典 「議」の意味・読み・例文・類語

ぎ【議】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 相談すること。評議。また、論ずること。議論。論議。
    1. [初出の実例]「彼の霊巖寺に行幸可有き議(ぎ)有けるに」(出典:今昔物語集(1120頃か)三一)
    2. [その他の文献]〔書経‐周官〕
  3. 意見。考え。説。
    1. [初出の実例]「当座の公卿皆長方の議に同ずと申あはれけれども」(出典:高野本平家(13C前)二)
    2. 「おうゑいのぎのほか、たのいろいこれあるべからず候」(出典:上杉家文書‐応永一七年(1410)一〇月九日・毛利広春置文案)
  4. 律制での刑法上の特典。皇室の親族、長く君側にある者、特に徳行、才芸、勲功のある者、三位以上の位にある者などを、六議(議親、議故議賢議能議功、議貴)と称し、刑法上の罪を減じた。それらが死刑の罪を犯したときは、天皇の裁断により処刑する。また、流刑以下の罪には、特に一等を減じて処刑する。この特典を得る者を応議者というが、八虐の罪を犯した場合は適用されなかった。→六議(りくぎ)

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普及版 字通 「議」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 20画

[字音]
[字訓] はかる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は義(ぎ)。〔説文〕三上に「語るなり」、また「語は論なり」「論は議(はか)るなり」とあって三字の訓義に通ずるところがあるが、字の原義はそれぞれ異なり、議は〔国語、語〕に「伯翳(はくえい)(神名)は能く百物を議して、以てを佐(たす)くるなり」とあり、議は察の意に近い。義は犠牲を神が「義(ただ)し」として享ける意。議は「議(はか)りに議る」意で、神意を問いはかる意である。

[訓義]
1. はかる、神にはかる。
2. あらそう、あげつらう、おもいめぐらす。
3. せめる、いさめる。
4. かんがえ、案件、意見、問題。
5. 誼と通じ、はかる。

[古辞書の訓]
名義抄〕議 ハカル・タバカル・ソシル・トク・トフ・イカル・ツグ 〔立〕議 ハカル・タバカル・ハカリゴト・カタラフ・セム・エラブ・アヒカタラフ・イカル・ソシル 〔字鏡集〕議 ハカル・ハカリゴト・トフ・コトバ・ソシル・ワカル・トク・エラブ・ノリ・タハブル・ツグ

[語系]
議ngiai、kii、毀xiuiは声近く、義において通じるところがある。

[熟語]
議案・議・議決・議・議言・議獄・議罪・議事・議処議叙議臣・議政・議説・議奏・議単・議定・議罰議諷・議覆・議柄・議謀・議論・議和
[下接語]
異議・逸議・奥議・横議・嘉議・会議・改議・閑議・諫議・議・疑議・擬議・共議・協議・空議・軍議・群議・計議・決議・建議・献議・議・言議・古議・公議・広議・抗議・高議・講議・合議・国議・再議・策議・雑議・参議・私議・刺議・思議・指議・議・肆議・諮議・事議・持議・時議・衆議・聚議・熟議・初議・深議・審議・芻議・世議・声議・政議・清議・切議・折議・専議・僉議・議・前議・争議・奏議・俗議・大議・談議・朝議・通議・廷議・定議・提議・党議・討議・議・動議・博議・駁議・駮議・発議・非議・鄙議・畢議・評議・議・付議・風議・覆議・沸議・物議・平議・秉議・別議・貶議・弁議・訪議・旁議・謀議・謗議・密議・明議・面議・余議・輿議・理議・論議・和議

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「議」の解説


律で定められた減刑措置。名例律議条によれば,六議とよばれる六つの徳目のいずれかを備えた人が罪を犯した場合,その犯罪が死刑に相当するときは,太政官審議のうえ天皇の裁定で減刑の可否と内容を定める。流(る)以下の犯罪については一律に一等を減じる。ただし八虐(はちぎゃく)の罪を犯した場合には適用しない。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【六議】より

…日本律の適用に際し,〈議〉という特典をうける6種類の身分上の資格。すなわち議親(天皇の一定範囲の血族と姻族),議故(天皇の多年の側近で,特別な待遇をうけている者),議賢(賢人君子で徳行の大なる者),議能(大政治家として優れた能力をもつ者),議功(軍人や海外使節として功績顕著なる者),議貴(三位以上の者)をいう。…

【奏議】より

…中国における文章の一形式で,臣下が君主に上(たてまつ)る意見書のこと。古くは上書といい,漢代では章,奏,表,議などといった。魏・晋時代以後は啓といい,唐・宋時代では表,状,剳(さつ),書などともよばれた。…

※「議」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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