貝【かい】
軟体動物のうち,石灰質の殻をもつものの総称,またはその殻。広義には軟体動物そのものを指し,またウニ,フジツボ,ホオズキガイ等を含めることもある。大部分は海産だが,淡水や陸上にもすむ。斧足(ふそく)類のオオジャコガイ(殻長1.37m,重量230kg),腹足類のアラフラオオニシ(殻高80cm)がおのおの世界最大種である。日本産では斧足類のヒレジャコガイ(殻長40cm),腹足類のホラガイ(殻高43cm)が最も大きい。身は食用,殻は細工物などに利用される。貝殻は殻皮,稜柱層(殻質),真珠(殻下)層の3層からなり,軟体の外套(がいとう)膜から分泌される。最外層の殻皮はコンキオリンと呼ばれるタンパク質の一種で,革質。稜柱層,真珠層の主成分は炭酸カルシウム。
→関連項目腹足類|斧足類
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デジタル大辞泉
「貝」の意味・読み・例文・類語
ばい【▽貝/×蛽/海=蠃】
1 エゾバイ科の巻き貝。浅海の砂泥底にすむ。貝殻は紡錘形で、殻高6センチくらい。殻表は火炎状および点状の褐色斑紋があり、厚い黄褐色の殻皮をかぶる。北海道南部から南に分布。肉は食用、殻はばいごま・貝細工の材料。つぶ。つぼ。
2 「貝独楽」の略。べえ。「―を打つ」「―を回す」
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かい【貝】
軟体動物Molluscaの中で石灰質の殻をもっている種類の総称,あるいはその石灰質の殻をいう。しかし,殻をもたないナメクジやウミウシ類を含めて軟体動物全体を貝類ということもある。以前は軟体動物以外のアミガイ(コケムシ動物),シャミセンガイ,ホオズキガイ(腕足動物),モミジガイ(棘皮(きよくひ)動物ヒトデ類),エボシガイ(節足動物蔓脚(まんきやく)類)なども名のように貝とされたが,分類学の進歩とともにそれぞれの正しい位置に移された。
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