(読み)テイ

デジタル大辞泉 「貞」の意味・読み・例文・類語

てい【貞】[漢字項目]

常用漢字] [音]テイ(漢) ジョウ(ヂャウ)(呉) [訓]ただしい
節操が堅く正しい。「貞潔貞淑貞女貞節貞操孝貞忠貞童貞不貞
占って神意をうかがう。「貞卜ていぼく
[名のり]さだ・ただ・ただし・ただす・つら・みさお
難読不貞腐ふてくされる

てい【貞】

節操を堅く守ること。
女性のみさおの正しいこと。「節婦

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精選版 日本国語大辞典 「貞」の意味・読み・例文・類語

てい【貞】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 心を正しくもって迷わないこと。節操を堅く保持して変えないこと。主張信念などを貫き通すこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「是貞(テイ)に似て貞(テイ)にあらず、真の犬死とは此の事なり」(出典こがね丸(1891)〈巖谷小波〉二回)
    2. [その他の文献]〔易経‐坤卦〕
  3. 女性がみさおを守ること。夫によく仕えて、まごころを変えないこと。また、そのさま。貞節。
    1. [初出の実例]「即表門閭、以旌節婦之貞焉」(出典:日本三代実録‐貞観七年(865)一一月二日)
    2. 「夫は義を守り、婦は貞(テイ)を行ひ」(出典:仮名草子浮世物語(1665頃)四)
    3. [その他の文献]〔易経‐屯卦〕

さだ‐し【貞】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 正しい。定かである。〔色葉字類抄(1177‐81)〕

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普及版 字通 「貞」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 9画

(異体字)
15画

[字音] テイ
[字訓] とう・ただしい・まこと・あたる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
正字はに作り、卜+鼎(てい)。鼎によって卜問することをいう。〔説文〕三下に「貞は卜問するなり。卜貝に從ふ。貝は以て贄(し)(お供え)と爲すなり」とするが、卜文・金文の字は鼎に従っており、おそらくわが国の「盟神探湯(くかたち)」のような方法か、あるいは鼎中の犠牲のようすによって卜したものであろう。〔説文〕にまた「一に曰く、鼎の省聲なり」とする京房説が引かれていて、字が鼎に従うとする伝承もなおあったのであろう。〔左伝、哀十七年〕「衞侯、貞卜す」、〔国語、呉語〕「貞(と)ふことを陽卜(卜人の名)にふ」、また〔周礼、春官、大卜〕「そ國の大貞」の〔司農注〕に「貞は問なり」とみえ、卜問の訓は知られていたのである。卜辞には「甲子、卜して(なん)(卜人の名)貞(と)ふ」という定式がある。卜問によって神意にかなうことが知られ、それより貞正の意となる。字はまた偵に作る。

[訓義]
1. とう、うらなう、ただす。
2. ただしい、さだまる、よい。
3. まこと、まごころ。
4. あたる、神意にかなう。
5. 女のただしいみさお。
6. 字はまた、偵に作り、とう。

[古辞書の訓]
名義抄〕貞 サダシ 〔立〕貞 カソカニ・サダカニ 〔字鏡集〕貞 サダカニ・カソカニ・トブラフ・サダシ・マサシ・サダム

[声系]
〔説文〕に貞声として(禎)など四字を収め、また鼎を貞の省声とする。貞はもとに作り、貞はその省文である。

[語系]
貞tieng、丁tyengは声近く、當(当)tangもその系統の語。みな、あたる、相当たる意のある語である。

[熟語]
貞一・貞・貞婉・貞介・貞愨・貞確・貞・貞軌・貞期貞吉・貞休・貞勁・貞潔・貞堅・貞賢・貞固・貞士貞志・貞実・貞淑・貞順・貞醇・貞純・貞女・貞松・貞心・貞臣・貞信・貞真・貞慎・貞人・貞仁・貞粋・貞静・貞誠・貞石・貞節・貞専・貞素・貞操・貞端・貞兆・貞直・貞度・貞特・貞白・貞・貞婦貞夫・貞符・貞方・貞芳・貞木・貞明・貞理・貞諒・貞良・貞烈・貞廉・貞和
[下接語]
安貞・義貞・吉貞・休貞・居貞・堅貞・孤貞・孝貞・士貞・至貞・守貞・女貞・清貞・誠貞・静貞・大貞・泰貞・忠貞・童貞・不貞・婦貞・芳貞・利貞

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