(読み)ツジ

  • ×辻
  • つむじ
  • 姓氏

デジタル大辞泉の解説

《「つむじ(辻)」の音変化》
道路が十字形に交わる所。四つ辻。十字路。
人が往来する道筋。街頭。
辻総(つじぶさ)」の略。
[補説]「辻」は国字
つじ」に同じ。
「道の―にこれを敷きて臥したり」〈今昔・四・二二〉
[補説]「辻」は国字。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版の解説

辻という文字は日本で作られた会意による国字であり,十字状に交叉する道路を意味した〈十字〉に由来する。道路の交叉点,道ばた,縫い目の十文字になるところ,物の合計や物事の結果などの意味に用いられ,辻商,辻占辻打,辻君,辻芸ほか50あまりの熟語をつくる。石川県金沢では市場,長崎県南高来郡布津では道の追分,奈良県吉野郡では山道の合した所をいう。 交通の要衝である辻には古来,道祖神をまつった辻社辻堂など,種々の施設が置かれた。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

沖縄の公娼(こうしょう)地区、遊廓(ゆうかく)。方音チーヂ。1672年那覇の一角に私娼・街娼を集めてつくったのがその起源といわれ、1908年(明治41)には仲島(なかしま)・渡地(わたんじ)の両遊廓を合併して発展した。多くの妓楼(ぎろう)があり、アンマー(母親)とよばれる女性経営者が遊女(「ジュリ」という)たちを抱えていた。遊女は農村から身売りされてくる子女がほとんどで、これを「辻売(ちーぢうい)」あるいは「ジュリ売(うい)」と称した。少女時代に売られてくることが多く、行儀作法・料理・芸能を仕込まれて一人前のジュリになった。なお、辻は完全に女性たちのみによって経営される特別地区で、男性の居住は許されず、また大正期からは自治組織もつくられた。また、辻は単なる遊廓ではなく、男性の社交場としても広く利用され、そのなかから多くの芸能が生まれた。1945年(昭和20)の沖縄戦に至る米軍の大空襲で全壊し消滅。「ジュリウマ」(旧暦1月20日)にかつての名残(なごり)をわずかにとどめている。

[高良倉吉]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (「つむじ」の転)
① 道路が十文字に交差している所。よつつじ。十字路。交差点。つむじ。〔十巻本和名抄(934頃)〕
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「三条京極のつじに立ち給へり」
② 路上。みちばた。ちまた。多く、「辻講釈」「辻占」などと、熟して用いられる。
※枕(10C終)三九「つぢありくわらはべなどの程々につけて」
※説経節・説経しんとく丸(1648)中「それみやこつしすから人のさたなすは、それ弓とりのみうちに、やまふじやの有けれは、弓矢めうか七代つくるとさたおなす」
③ 裁縫で、縫目の十文字になる所。
④ 物の合計。または、物事の結果。
※鵤荘引付‐永正一七年(1520)一一月二七日「則東西政所を取替、支配の辻五十余貫也」
※歌舞伎・好色芝紀島物語(1869)三幕「ト辻番の内を覗き『〈略〉御無心ながら少しの内お軒下をお貸しなすって下さいまし〈略〉此のお辻(ツジ)がないと内まで濡れて帰らなけりゃあならぬ』」
⑥ 馬具の名。
(イ) 「つじぶさ(辻総)」の略。
※延喜式(927)四一「六位以下鞍鞦総。不連著、但聴鞦衢(つじ)及後末
(ロ) 轡(くつわ)の部分の名。
(ハ) 鞦(しりがい)の組合わせの部分の名。
[語誌](1)「つむじ」の変化したものとされ、その「つむじ」は旋毛と関係すると見られるが、十字路の辻は、早くから「つじ」が一般的になっていたと思われる。
(2)「日葡辞書」には「tçǔji(ツウジ)」とあるが、同項目に「Michi tçuji(ミチツジ)」ともある。
姓氏の一つ。
〘名〙 =つじ(辻)
※斯道文庫本願経四分律平安初期点(810頃)「巷陌の四衢道の頭(ツムシ)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内のの言及

【辻子】より

…十字状の道を意味する平安時代の言葉〈十字〉に由来し,その意を表す国字としてつくられた〈辻〉の意味が分化したものであって,細道(《名語記》),小路(《節用集》),ついで横町(《日葡辞書》)の意味にも用いられた。古くは十字,ついで辻,辻子と書かれ,室町時代以降になると図子,通子,厨子,途子などの用例もある。…

【辻占】より

…道の辻に立って,通りがかりの人の言葉を聞いて吉凶を判断する占い。別称に,朝占夕占(あさけゆうけ)という名があるように,朝方や夕方の人の姿がはっきりしない時刻に行われ,道行く人の無意識に発する言葉の中に神慮を感じとり,それを神の啓示とした。…

※「辻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

ミルクティー同盟

アジア各国の民主化を求める若者によるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上での同盟の名称。もともとは香港、台湾、タイなどの若者が自国の民主化を求めて行っていたそれぞれの抗議運動がSNS(ソ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

辻の関連情報