(読み)イツ

デジタル大辞泉 「逸」の意味・読み・例文・類語

いつ【逸】[漢字項目]

常用漢字] [音]イツ(漢) イチ(呉) [訓]それる はやる
ある場所からさっと抜け去る。「逸出逸走後逸
横にそれて逃れる。抜けて見えなくなる。「逸脱散逸
世間に知られていない。「逸事逸聞逸話隠逸
規則にとらわれず気ままにする。「逸楽安逸放逸
世間的な枠を抜け出て優れている。「逸材逸足逸品秀逸
[補説]24は「いつ」と通用する。
[名のり]すぐる・とし・はつ・はや・まさ・やす
難読逸物いちもつ独逸ドイツ都都逸どどいつ

いち【逸】[漢字項目]

いつ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「逸」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

(旧字)
人名用漢字 12画

[字音] イツ
[字訓] のがれる・はやい・たのしむ

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
(ちやく)。(うさぎ)を逐い、が走りのがれる意。〔説文〕十上部に「失ふなり」とあり、・失は畳韻の訓。はよく走るものであるから、意符に用いた字である。金文の〔陳曼(ちんまんほ)〕に「康」、〔詩、小雅、白駒〕に「豫」など、早くから楽しむ意に用いる。

[訓義]
1. のがれる、かくれる。
2. 早く脱走するので、はやい。
3. すぐれる、ぬきんでる。
4. 佚と通じて、たのしむ、ほしいまま。
5. 失と通じて、あやまち。

[古辞書の訓]
名義抄 ノガル・マヌガル・スグ・スグル・トク・タチマチ・イサム・オコル・オコク・ヤスシ・ホシイママ・ホシキママニ・アソブ・ユルク・スサビタリ・ヲトル・アヤマル・アヤマリ・イフリニ・オク・サダム・ホロブ

[語系]
・佚・軼・jietは同声。みな、他より早くて、安佚・逸出の意がある。語彙は佚・軼字条参照。

[熟語]
逸異逸偉逸韻逸格逸軌・逸気逸驥逸議・逸去・逸居逸興逸響・逸群・逸才・逸材・逸士逸思・逸詩・逸事・逸出・逸情・逸足逸態・逸致逸宕・逸・逸徳・逸品・逸文・逸聞・逸味・逸民・逸遊逸予・逸楽・逸話
[下接語]
安逸・怡逸・逸・隠逸・横逸・暇逸・間逸・古逸・高逸・散逸・秀逸・逸・俊逸・駿逸・縦逸・清逸・卓逸・超逸・恬逸・逸・任逸・飄逸・風逸・奮逸・放逸・亡逸・奔逸・楽逸・老逸・労逸

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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