(読み)トウ

デジタル大辞泉 「陶」の意味・読み・例文・類語

とう【陶】[漢字項目]

常用漢字] [音]トウタウ)(漢) [訓]すえ
焼き物。「陶器陶工陶土彩陶製陶
人格を練りあげる。教え導く。「陶冶とうや薫陶
うちとけて楽しい。「陶酔陶然
もやもやして晴れない。「鬱陶うっとう
[名のり]よし

すえ〔すゑ〕【陶】

陶器。すえもの。
茅渟ちぬあがた―のむらに」〈崇神紀〉

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精選版 日本国語大辞典 「陶」の意味・読み・例文・類語

すえすゑ【陶】

  1. 〘 名詞 〙 やきもの。陶器。すえもの。
    1. [初出の実例]「茅渟(ちぬ)の県(あがた)(スエ)の邑(むら)於て」(出典日本書紀(720)崇神七年八月(寛文版訓))

すえすゑ【陶】

  1. 姓氏一つ

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普及版 字通 「陶」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

[字音] トウ(タウ)・ヨウ(エウ)
[字訓] すえもの・やきもの・やしなう・うれえる

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(とう)。は窯の中に缶(ふ)(ほとぎ)をおいて焼く形。〔説文〕十四下に「再の丘なり」とし、〔釈名、釈丘〕に「陶(たうさう)の如く然るなり」というが、その上り窯の形がである。〔礼記、郊特牲〕「に陶匏(たうはう)を用ふ」とあって、天帝を祀る郊祭には素焼きのものを用いた。そのような祭器を焼く窯は、聖所に近く設けられるので、神梯の象である(ふ)に従って、陶に作る。帝尭陶唐氏の堯(尭)は、素焼きの器を積みあげた形。これに火を加えて焼成するを燒(焼)という。陶・堯は関連のある名である。

[訓義]
1. すえ、すえもの、やきもの。
2. すえものを作る、その人。
3. 形を作る、形をととのえる、おしえる、教化する。
4. ただす、やしなう。
5. 窯に通じ、かまど
6. 鬱陶(うつとう)は、うれえる、心ふさぐ、心にこもる。
7. 外にあらわれる、のびる、よろこぶ、たのしむ、やわらぐ。

[古辞書の訓]
名義抄〕陶 スヱモノ・ツクル・スヱ・ウレフ・ヨロコブ・フカシ・ミガク・トラカス

[語系]
陶・du、jiu、窯(窰)jiは声義近く、は瓦器。陶の初文。(よう)は瓦器、窯は陶竈。みな一系の語である。

[熟語]
陶育・陶鬱・陶泓・陶・陶化・陶瓦・陶器・陶漁・陶鈞・陶均・陶穴・陶・陶硯・陶工・陶兀・陶室・陶者・陶蒸・陶人・陶酔・陶成・陶染・陶・陶然・陶誕・陶鋳・陶暢・陶土・陶陶・陶冶・陶練・陶錬
[下接語]
鬱陶・鈞陶・薫陶・陶・古陶・作陶・陶・坏陶・復陶

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「陶」の意味・わかりやすい解説

陶(山口市)
すえ

山口南部の農村地区。旧陶村。近世には東隣の鋳銭司(すぜんじ)村の枝村であったが、その後独立古代須恵器(すえき)製造の窯業地に由来する村名で、山田山麓(さんろく)に残る4か所以上の陶窯跡群は「陶陶窯跡(すえのすえかまあと)」として国の史跡に指定されている。国道2号が通じる。

[編集部]


陶(岐阜県)
すえ

岐阜県瑞浪市(みずなみし)南部の地区。旧陶町。古くからの陶磁器産地で地名もこれによる。中心地区は陶町猿爪(ましづめ)。土岐(とき)川の支流小里(おり)川に合流する猿爪川などの上流部にあたり、かつては名古屋や飯田に通ずる中馬(ちゅうま)街道に沿う。いまは、国道363号、愛知県豊田市とを結ぶ国道419号や主要地方道が通じ、バスの便もある。早くからとくに輸出向けの洋飲食器の生産が発達している。

[上島正徳]

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【土器】より

…耐熱性の強い素地を用いて1000℃以上(1100~1300℃)の高温で焼き上げた,多孔質でない焼物(たとえば備前焼など)は炻器(せつき)と呼ばれる。考古学では,この種のもの(朝鮮半島の新羅(しらぎ)土器,日本の須恵器)も土器に含めるか,あるいは陶質土器と呼ぶことが多い。陶器は,やはり粘土を材料とし,器壁は多孔質だが器表は釉薬(うわぐすり∥ゆうやく)のガラス質に覆われており,多孔質ではない。…

【綾南[町]】より

…瓦,土管などの窯業,手袋を主とする繊維や機械器具などの中小工場も立地する。陶(すえ)地区は7世紀から13世紀にかけての窯跡群が所在することで知られる。滝宮の念仏踊(重要無形民俗文化財)は讃岐守でもあった菅原道真の雨乞いにはじまるといわれ,毎年8月25日に天満宮の社殿で奉納される。…

※「陶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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