顔(漢字)

普及版 字通 「顔(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 18画

(旧字)顏
18画

[字音] ガン
[字訓] ひたい・かお

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(彦)(げん)。厂(かん)(額の象形)に加入の儀礼を示す文身の象()を加え、彡(さん)はその美彩あるをいう。頁(けつ)は儀礼のときの儀容。したがって顏とは、儀礼のとき加入儀礼を示す文身を加えた顔容をいう。〔説文〕九上に「眉目のなり」とは、その文身を加える額の部分をいう。〔方言、十〕に「(ひたひ)なり」とみえるのが初義。顔面の面は、目だけを残して他を覆うもので、ペルソナの意。〔左伝、荘五年、正義に引く世族譜〕にみえる顔(ちゅがん)、字は夷父。夷俗は断髪文身、ゆえに顏・夷を名字対待の義に用いるが、古くは中国にも文身の俗があった。

[訓義]
1. ひたい。
2. 文身を加えた顔の上部、かお、かおつき。
3. いろをぬる、いろどり。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕顏 万与安比(まよあひ)〔和名抄〕顏面 仙窟に云ふ、面子。師に云ふ、加保波世(かほばせ)、一に云ふ、保々岐(ほほつき)〔名義抄〕顏 カホ・オモテ・カタチ/強顏 オモカゲ・ツレナシ 〔字鏡集〕顏 ホホツキ・オモテ・カホ・カタチ

[語系]
顏ngeanはngianの声義を承ける。額()ngeakも声義が近く、顏はもと額をいう語であった。〔説文〕に「なり」、〔広雅、釈親〕に「顏はなり」とあって、それが古義。ただ(がく)・(そう)は顔の部分呼称であるが、顏は文身を施して、儀礼の際の特定の顔容をいう。

[熟語]
顔渥・顔角・顔儀・顔形・顔厚・顔甲顔采顔慙・顔状顔色顔衰・顔・顔題・顔沢顔魄・顔碑顔鬢顔貌・顔面・顔容顔料
[下接語]
怡顔・嬰顔・温顔・花顔・華顔・開顔・解顔・汗顔・熙顔・矜顔・強顔・玉顔・厳顔・亢顔・厚顔・紅顔・慙顔慈顔赭顔・朱顔・羞顔・愁顔・笑顔・承顔・衰顔・悴顔・酔顔・正顔・盛顔・洗顔・孱顔・素顔・蒼顔・尊顔・顔・顔・顔・天顔・童顔・破顔・拝顔・犯顔・披顔・美顔・芳顔・容顔・竜顔・隆顔・麗顔・老顔・和顔

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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