否定(読み)ヒテイ

デジタル大辞泉 「否定」の意味・読み・例文・類語

ひ‐てい【否定】

[名](スル)
1 そうではないと打ち消すこと。また、非として認めないこと。「うわさを否定する」「暴力を否定する」⇔肯定。
2 論理学で、ある命題の主語と述語の関係が成立しないこと。また、その関係を承認しないこと。⇔肯定。
3 ヘーゲル弁証法で、発展の契機の一。→否定の否定
4 文法で、打ち消しの語法のこと。
5 論理演算の一。入力と出力を逆にする演算のこと。入力が「真」または「1」ならば出力は「偽」または「0」となり、入力が「偽」または「0」ならば、出力は「真」または「1」となる。NOTノット。コンピューターでこのような演算を行う論理回路においては、電流が流れる場合を「真」、流れない場合を「偽」と対応させ、NOT回路などと呼ぶ。
[類語]否認・打ち消す・批判・論難・弁難・批難・批正・酷評・冷評・痛論・駁論ばくろん・反論・反対・不賛成・不同意・不承知・異議・異論・異存・抵抗・造反・対立・難ずる・論あげつらう・駁ばくする・非を打つ・異いを唱える・異いを立てる

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精選版 日本国語大辞典 「否定」の意味・読み・例文・類語

ひ‐てい【否定】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 論理学で、ある判断を偽であるとして述べること。また、このことを述べる言語的表現。定立の取消。⇔肯定。
    1. [初出の実例]「命題を得たるとき再び様と量との考へに反ることあり。様の考にて表(おもて)肯定を表といひ否定を裏(うら)といふ」(出典:学原稿本(1869)〈西周〉命題諸式)
  3. ② そうではないとうちけすこと。非とすること。認めないこと。⇔肯定。
    1. [初出の実例]「此事実を否定する訳には行くまい」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉四)
  4. ③ 文法で、打消の語法のこと。「否定形」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「否定」の意味・わかりやすい解説

否定
ひてい
negation

肯定の対語。ある事柄やその様態をあらしめまいとする意志。またある判断や命題を偽であるとする理性の行為。この意志と理性の両方の否定について,全面否定と部分否定がある。欠如や限定や矛盾や対立も広義の否定である。論理的には否定は肯定的措定にいたるための階梯とみることができ,それ自体肯定を含んでもいる (「SはPではない」という否定判断は「Sは非Pである」という肯定判断と等価である) 。また逆にある規定はそれ以外の規定の否定であるから,肯定と否定とは対立するだけではなく相関的である。この意味で一切の判断は否定を含んでおり,神を除く一切の存在者は否定を含んでいる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「否定」の意味・わかりやすい解説

否定
ひてい
negation 英語
négation フランス語
Verneinung ドイツ語

一つの命題が表す事柄が成り立たないとする精神の働きを否定の働きといい、またそれを表す命題を、先の命題の否定という。この説明のなかで、すでに「成り立たない」ということばを使ったように、否定はもっとも根本的な概念である。なお「すべての花は白い」の否定は、「すべての花は白くない」ではなくて、「白くない花がある」である。このように、否定をつくるときには注意しなければならない。

[吉田夏彦]

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普及版 字通 「否定」の読み・字形・画数・意味

【否定】ひてい

打消し。

字通「否」の項目を見る。

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