デジタル大辞泉
「彼女」の意味・読み・例文・類語
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か‐の‐じょ ‥ヂョ【彼女】
[1] 〘代名〙
① 他称。
(イ) 話し手、相手以外の女性をさし示す語。
※
当世書生気質(1885‐86)〈
坪内逍遙〉二「俗にいふお転婆なれども、彼女
(カノジョ)は活溌だ、などといって、書生連によろこばるる小娘なり」
(ロ) (外国語の女性名詞の影響で) 船などを女性に見たてていう。
※海に生くる人々(1926)〈
葉山嘉樹〉九「彼女はおとなしく、静に進んだ。〈略〉船は大うねりに乗って、心持よく泳いで行く」
②
対称。俗に、男性が相手の若い女性をさして呼ぶ語。
[2] 〘名〙 ((一)から転じて) 恋人である相手の女性。〔ウルトラモダン辞典(1931)〕
[語誌](1)日本では
古くから三人称は「かれ」で、男女両性を指していたが、西欧語に接して、男女の
区別が必要となり、西欧語の三人称女性
代名詞の訳語として生まれた。
(2)明治九年(
一八七六)の「改正画引小学読本」に「彼女 カノジョ ムカウニヰルムスメ」とあるが、「じょ(女)」が独立して使われている時期なので、まだ
一語とは認めにくく、「カノ+オンナ」と同じ意識で、ただし新しさを込めようとして「カノ+ジョ」と表現したものと思われる。一語の代名詞としての「かのじょ」が、広く一般に普及したのは大正以降である。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報