物を結んだり,束ねたりするために,絹や毛,麻や木綿,化学繊維,紙,革などを組んだり,編んだり,縫い合せたりした細長いもの。日本では縄文時代の土器とともに,約1万年も前の紐のたぐいの出土がある。原形のはっきりしたものは,古墳から鏡,鎧,刀剣とともに発掘されている。特に日本では鎌倉,室町,江戸時代には工芸組紐として武器,武具,芸能用具,宗教用具,衣服などに用いられた。組織別にみると,組紐 (打ち紐) ,織り紐,編み紐,裁ち紐,くけ紐,束ね紐,合成紐などがある。
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「ひも」の音変化。
「年来(としごろ)誦(よ)み給ひける持経の―を解き」〈太平記・一〇〉
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糸・布ぎれなどを組み,編むなどして太さをもたせ細長くしたもの。物を結んだり束ねたりするのに使用。組紐,織紐,編紐のほか裁ち紐,数本を糊料で固めた束ね着紐などがある。絹,木綿,毛糸,紙,ビニルなどを材料とし,古くから装飾用にも使用された。真田(さなだ)紐は幅0.5〜5cmの平打紐で真田氏が刀の柄(つか)糸に用いたのに始まるという。
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〘名〙 物をたばねたり結んだりする布、革、糸など。ひも。〔儀礼‐既夕礼〕
〘名〙 「ひも(紐)」の変化した語。
※南海寄帰内法伝平安後期点(1050頃)二「紐(ヒホ)を将て絇(わひほ)に内(い)れて」
〘名〙
① 物を結んだり束ねたりする、縄状のもの。ふつう、糸より太く、帯・綱より細いものをいう。布製・革製・紙製・麻製など、種々ある。ひぼ。
※書紀(720)允恭八年二月・歌謡「ささら形 錦の臂毛(ヒモ)を 解き放けて あまたは寝ずに ただ一夜のみ」
② 水商売の女や娼婦などに金銭をみつがせている情夫。
※日本橋(1914)〈泉鏡花〉一一「やけでお若は浮気をする。紐がつく、蔦が搦む」
③ かげで操り、支配するもの。また、その条件となるもの。→
紐付き。
④ (形状が①に似るところから) アカガイやホタテガイの外套膜をいう。
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