カラシニコフ(読み)からしにこふ

デジタル大辞泉 「カラシニコフ」の意味・読み・例文・類語

カラシニコフ(〈ロシア〉Kalashnikov)

旧ソ連の軍用自動小銃。開発時期によってAK47・AK74などの種類がある。設計者カラシニコフの名にちなむ。
[類語]鉄砲銃器飛び道具ピストル短銃拳銃はじき機関銃機関砲小銃ライフルライフル銃猟銃火縄銃散弾銃空気銃大砲迫撃砲ショットガンエアガンマシンガンカービン銃バズーカ砲ガス銃ガトリング銃騎銃救難銃軽機関銃ゲベール銃高圧電流銃三八式歩兵銃実銃自動拳銃自動小銃重機関銃準空気銃水中銃スタンガンスナイドル銃短機関銃単身銃単発銃鳥銃二連銃村田銃モーゼル銃連発銃遊戯銃玩具銃模型銃光線銃水鉄砲豆鉄砲紙鉄砲威し鉄砲空鉄砲剣付き鉄砲竹鉄砲ふところ鉄砲山吹鉄砲トイガンモデルガンエアソフトガンエアライフルビームライフル

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知恵蔵 「カラシニコフ」の解説

カラシニコフ

ロシアの銃器設計者であるミハイル・カラシニコフ、もしくは同氏の設計した歩兵用自動小銃AK47の別称。使いやすく壊れにくいという特徴から、コピー品も含めて紛争地帯などに多数が出回り、「史上最悪の大量殺害兵器」ともいわれている。
ミハイル・カラシニコフは、1919年に西シベリアに生まれ、第2次世界大戦では戦車部隊に所属。ナチス・ドイツとの戦いで負傷し、火器優劣の差を目の当たりにしたことから銃器の設計を決意。戦後間もなく開発に成功したのがAK47である。この他、ライフルなど各種火器の設計に携わり、2013年12月に94歳で病没
AK47は1950年代前後からソビエト連邦及び共産圏軍隊で広く採用された。重量4キログラム程度で突撃銃に分類され可搬性が高く連射も可能。簡素な構造で耐久性があり、泥や砂をかぶっても水で洗い流してそのまま使用可能である。灼熱砂漠や酷寒の極北でも使用でき、取り扱いや手入れが簡便であることから、十分な訓練を受けた者でなくとも扱うことができる。量産性・信頼性に富むことから、ライセンス品や模造品なども含めて全世界で約1億丁が製造されたといわれる。かつては植民地民族解放戦争の勝利を象徴する武器として国旗や国章のデザインに採用されたこともある。その一方で、冷戦終結後には世界に無秩序に拡散し、アフリカ南アメリカの紛争や内戦に使用されることから、テロリズムを象徴する銃ともいわれている。

(金谷俊秀  ライター / 2014年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

百科事典マイペディア 「カラシニコフ」の意味・わかりやすい解説

カラシニコフ

ロシア,旧ソ連の軍人,技術将校。西シベリア,アルタイ地方の出身。トカレフ拳銃の開発者フィヨドル・バジレヴィッチ・トカレフに見いだされ,1943年旧ソ連最大のトゥーラ造兵廠で兵器開発に従事,1946年,後にAK-47として有名になる全自動発射の自動小銃を設計する。AK-47はシンプルな設計で大量生産に向いていたうえ,並外れた耐久性があるため瞬く間に普及し,旧社会主義圏をはじめ開発途上国などで改良型も含めライセンス生産やコピー生産された。世界中で推計1億丁を超えるAK-47とそのバリエーションが存在するといわれ,少なくとも82ヵ国の兵器庫で発見され14を超える国で製造される状態といわれる。操作も簡便なため訓練を受けていない女性や子供でも数時間・数日で扱えるようになる。〈人類史上もっとも人を殺した兵器〉〈小さな大量破壊兵器〉とも呼ばれている。カラシニコフは旧ソ連で2度社会主義英雄称号を与えられ,ソ連解体後もロシア政府は聖アンドレイ守護勲章を授与している。終身の技術中将として処遇された。

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