ゲベール銃(読み)ゲベールジュウ

デジタル大辞泉 「ゲベール銃」の意味・読み・例文・類語

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精選版 日本国語大辞典 「ゲベール銃」の意味・読み・例文・類語

ゲベール‐じゅう【ゲベール銃】

  1. 〘 名詞 〙ゲベール
    1. [初出の実例]「麹町区道三町の倉庫にあるゲベル銃数万挺を、今度悉皆大倉組一手へ払ひ下げられたり」(出典:東京日日新聞‐明治一九年(1886)一二月一日)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゲベール銃」の意味・わかりやすい解説

ゲベール銃
げべーるじゅう

江戸時代末期に海外から輸入された歩兵銃の一種。ゲベールGewerはオランダ語やドイツ語で軍用小銃を意味するが、日本では銃の固有名詞となっている。火打石式の点火装置をもつ先込め式小銃で、1670年フランスが制式軍用銃としたのをはじめとして、ヨーロッパ各国軍隊が採用した。日本では長崎の町役高島秋帆(たかしましゅうはん)が1831年(天保2)に私費を投じ、輸入して紹介したのをはじめとし、以来もっとも多く輸入されて、幕末内乱に使用されたことでよく知られている。全長149.9センチメートル、口径17.5ミリ、重量約4キログラムで、銃身鍛鉄(たんてつ)製の白磨(しろみがき)丸型銃筒で、銃口部に着剣用の突起があり、銃身と銃床とは上中下3個の帯金で結合されているため「三つバンド」ともよばれた。照準器は初期型は照星だけであったが、のち国産倣製されるようになり、照門もつけられた。なお初期型は火打石式であったが、1845年(弘化2)以後は雷管点火式となり、初期型の大部分は雷管式に改造されている。短銃身のカーバイ型もあった。

[小橋良夫]

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